晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『プレタポルテ』 75点

2008-12-18 11:27:07 | (米国) 1980~99 

プレタポルテ

1994年/アメリカ

アルトマン得意のシニカルな群像劇も空回り

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆90点

演出 ★★★★☆75点

ビジュアル ★★★★☆75点

音楽 ★★★★☆80点

「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」とシニカルな群像劇を続けて世に出し油が乗り切っていたロバート・アルトマンが、パリコレをテーマにファッション業界とメディアの内幕を痛烈に皮肉っている。
プレタポルテ協会長オリヴィエ・ド・ラ・フォンテーヌ(ジャン・ピエール・カッセル)はネクタイが入った郵便を受け取る。同封のメモにはそれを締めてシャルル・ド・ゴール国際空港へ来て欲しいとあり、指定日時に現れる。空港にはパリコレの関係者達が次々到着していた。
アルトマン得意の群像劇で豪華キャストによる人間模様が繰り広げられ相変わらずの賑やかさだが、今回は残念ながら空回りしていた。
マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの名コンビも往年の冴えが見られないし、デザイナー役のアヌーク・エーメもファッション界に衝撃を与えるショーを演出するプロセスが良く見えない。もう一組のティム・ロビンスとジュリア・ロバーツもホテルの一室で同じことの繰り返し。
他にキム・ベイシンガーのレポーター役やデザイナー役のフォレスト・ウィテカーが目立っていたが狂言回しと脇役の一人の役割でしかない。
感心したのは、これ程批判的なストーリーにも関わらずパリ・ファッション協会の全面協力を得られたこと。ゴルチエ、ソニア・リキエル、イッセイ・ミヤケなど実際の一流デザイナーとそのショーのシーンが挿入され、ナオミ・キャンベル、川原亜矢子などのトップモデルが出ている。シェール、ハリー・ベラホンテも本人役で出てくる賑やかさ。R・アルトマンの底力を見る想い。
15年前のファッション業界を懐かしんで思い出に浸るには絶好な映画であるが、エンディングのショーは??どうも譜に落ちない。



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