プレタポルテ
1994年/アメリカ
アルトマン得意のシニカルな群像劇も空回り
総合 75点
ストーリー 75点
キャスト 90点
演出 75点
ビジュアル 75点
音楽 80点
「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」とシニカルな群像劇を続けて世に出し油が乗り切っていたロバート・アルトマンが、パリコレをテーマにファッション業界とメディアの内幕を痛烈に皮肉っている。
プレタポルテ協会長オリヴィエ・ド・ラ・フォンテーヌ(ジャン・ピエール・カッセル)はネクタイが入った郵便を受け取る。同封のメモにはそれを締めてシャルル・ド・ゴール国際空港へ来て欲しいとあり、指定日時に現れる。空港にはパリコレの関係者達が次々到着していた。
アルトマン得意の群像劇で豪華キャストによる人間模様が繰り広げられ相変わらずの賑やかさだが、今回は残念ながら空回りしていた。
マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの名コンビも往年の冴えが見られないし、デザイナー役のアヌーク・エーメもファッション界に衝撃を与えるショーを演出するプロセスが良く見えない。もう一組のティム・ロビンスとジュリア・ロバーツもホテルの一室で同じことの繰り返し。
他にキム・ベイシンガーのレポーター役やデザイナー役のフォレスト・ウィテカーが目立っていたが狂言回しと脇役の一人の役割でしかない。
感心したのは、これ程批判的なストーリーにも関わらずパリ・ファッション協会の全面協力を得られたこと。ゴルチエ、ソニア・リキエル、イッセイ・ミヤケなど実際の一流デザイナーとそのショーのシーンが挿入され、ナオミ・キャンベル、川原亜矢子などのトップモデルが出ている。シェール、ハリー・ベラホンテも本人役で出てくる賑やかさ。R・アルトマンの底力を見る想い。
15年前のファッション業界を懐かしんで思い出に浸るには絶好な映画であるが、エンディングのショーは??どうも譜に落ちない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます