ミセス・ダウト
1993年/アメリカ
R・ウィリアムズ夫妻のプロダクション第一作
shinakamさん
男性
総合
80点
ストーリー
80点
キャスト
85点
演出
80点
ビジュアル
80点
音楽
80点
ロビン・ウィリアムズと妻マーシャ・ガーセスが設立したプロダクションの初作品。14年連れ添った夫婦だったが、夫・ダニエルの子供のような振る舞いに愛想を尽かした妻・ミランダが離婚宣告。ダニエルは子供達に会うために家政婦に変装し潜入するファミリー・コメディ。監督は「ホーム・アローン」2作でホームコメディを得意とし、後に「ハリー・ポッター」シリーズを手掛けたクリス・コロンバス。
R・ウィリアムズの女装振りが最大の見どころ。メイクアップによる60歳の女性・ダウトファイアー夫人は英国の家政婦だったという設定で話しぶり・仕草・歩き方までサマになっていてダスティ・ホフマンの「トッツィー」以来の名変装だ。この際妻や子供たちが気付かないのは変だということは抜きにして、得意のモノマネやジョークが速射砲のように満載で中盤までは快調な流れで進んで行く。
ミランダ役はオスカーを2度も獲っているサリー・フィールド。インテリア・デザイナーのキャリア・ウーマンなので瀟洒な邸宅に住んで家政婦を雇うのも頷ける。撮影に使われたサンフランシスコの家は、いまだに観光名所になっているほど。おまけに大学時代のボーイフレンドが独身の2枚目で大金持ちのスチュワートで後の4代目ボンド俳優ピアース・ブロスナンが扮している。どう見ても勝ち目のないダニエルがミセス・ダウトとして恋の邪魔をするのが中盤のハイライト。子供たちは素直で可愛く、幼いナタリーに扮したマーラ・ウィルソンは翌年「34丁目の奇跡」でも名演技を披露している。
終盤は心温まるハッピー・エンドへ向かうのではと思わせたが、米国での離婚の現実が下敷きにあって、養育権や面会の条件など離婚訴訟の様子がキッチリと描かれているあたりは流石である。おまけに喫煙や動物愛護など、道徳面でも家族揃って鑑賞するにはもってこいの隠し味もある。日本人にはリスニング練習には最適な作品かもしれない。
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