晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『ゼロ時間の謎』 75点

2011-02-24 17:33:04 | (欧州・アジア他) 2000~09

ゼロ時間の謎

2007年/フランス

原作に忠実なフランス製クリスティ・ミステリー

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆75点

演出 ★★★★☆75点

ビジュアル ★★★★☆75点

音楽 ★★★★☆75点

A・クリスティのミス・マープル「ゼロ時間へ」を、パスカル・トマがフランスの現代へアレンジしている。前作「アガサ・クリスティの奥様は名探偵」と比べるとマープルは出てこないが、原作に忠実で伝統的なミステリーの趣きは失っていない。そのぶん大富豪の老婦人が住む邸宅に集まるテニス・プレイヤーの甥と妻、その前妻という設定そのものに時代を感じてしまう。
叔母が何者かに殺され凶器が甥のゴルフクラブだったがアリバイがある。さて犯人は?邸宅にいる7人の容疑者をヴァカンスに来ていたバタイユ警視が捜査することに。
冒頭<ゼロ時間>とはものごとが進展するするとき、さまざまな出来事が絡み合い沸点を迎え事件は発生する。その沸点のトキを指すとバタイユ警視が説明する。バタイユはその後登場することなく7人の人脈と恋愛模様が続き、なかなか事件は起こらない。観客に犯人は誰かを楽しんでもらおうという展開だろう。叔母が殺される前弁護士がホテルで心臓発作を起こし亡くなったのも殺人だったのが、ヒントになる。
終盤で二転三転のドラマチックな展開を絵トキするシークエンスにもう一工夫が欲しかった。
P・トマは得意のコメディ・タッチに光るものがあり今回は使用人の2人の挙動がクスリとさせてくれる。バタイユも推理するとき「ホームズ、メグレ、ミス・マープル、コロンボ...」とつぶやくキャラクターだが、名探偵のわりにイカンセン出番が少ない。
出演者は大女優ダニエル・ダリューがしっかりと健在ぶりを見せていたが、他は小粒の感は否めない。「僕を葬る」でナイーブな演技を魅せたメルヴィル・プポーは大根だったことがバレてしまい、キアラ・マストロヤンニがM・マストロヤンニとC・ドヌーブの娘でローラ・スメットがJ・アリデイの娘であるという七光り女優を楽しむ作品となってしまった。



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