晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『あの日、欲望の大地で』 85点

2009-10-05 16:01:28 | (米国) 2000~09 

あの日、欲望の大地で

2008年/アメリカ

予備情報なしで見て欲しい緻密なストーリーテリング

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

原題は「THE BURNING PLAIN(燃える大地)」だが邦題には違和感がある。「21グラム」「バベル」の脚本を手掛けたギジュルモ・アリアガが構想15年企画を温めた監督・長編デビュー作。
海辺の街ポートランドのレストラン・マネージャーのシルヴィア(シャーリーズ・セロン)、メキシコで農薬散布の小型飛行機を操縦する父と12歳の娘、国境沿いの街・ニューメキシコに住むジーナ(キム・ベイシンガー)はメキシコ人と不倫、娘のマリアーナ(ジェニファー・ローレンス)は不審を抱く。3つのストーリーが時代と場所を超え同時に進行しながらひとつの物語になってゆく緻密なストーリーテリング。
面白さが半減しそうなので、できれば予備情報なしで見て欲しい。
S・セロンはこの作品に惚れこんでエグゼクティヴ・プロデューサーを引き受けたほど。オープニングのヌード・シーンにドギモを抜かれる。過去に囚われながら葛藤を抱え岐路に立つ女性を見事に演じ切った。
S・セロンの指名で起用されたK・ベイシンガーも全裸のラヴ・シーンを見せ、ヒトを愛する悦びと哀しさを表現して共感を呼ぶ。そしてジーナの娘・マリアーナ役の新人ジェニファー・ローレンスから目を離せない。ヴェネチア国際映画祭のマルトロ・マストロヤンニ賞(新人賞)を受賞。アリアガ監督にメリル・ストリープの再来と呼ばせたほど。この作品にとって重要な役柄でもある。
ラスト・シーンで救いがあって良かったと思うのか、物足りないと思うかでこの作品の評価がまるっきり違ってくる。



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