ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
2009年/スウェーデン=デンマーク=ドイツ
完結してスッキリ、そして物足りない気も
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 80点
スウェーデン、スティーグ・ラーソンのベストセラー3部作の完結編。社会派雑誌「ミレニアム」発行人ミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)が、天才ハッカー・リスベット(ノオミ・ラパス)の秘密を通して国家権力の秘密組織や女性を虐待する男たちへ立ち向かう。
第2部・3部を一気に観たかったが、かなりの体力と時間を要するので、2週間ぶりに完結編を観た。ようやくスッキリしたが、物足りない気も。
リスベットが脳に銃弾が残る瀕死の重傷から始まる第3部。主治医に命を救われ秘密組織SEKTIONの魔の手からも守られる。この2人の距離感が何ともいえず心地良い。ミカエルも特集号の発行に向けモバイル端末を病院へ贈り、リスベットに自叙伝を書かせたり、法廷での弁護を妹に託すなど、バックアップを怠らない。
最大のヤマ場は法廷でのシーン。パンク・ファッションに身を包んだリスベット。法廷劇としての盛り上がりはいまひとつという感じはするが、ほとんど話をしない彼女がぽつりと言う言葉はとても重く感じる。
壮大なストーリーなだけに、話を追うだけで精一杯なのが惜しい。第2部で死んだと思ったザラ、逃げた金髪のニーダーマンも完結の仕方が良くも悪くも想定外だった。
単なるサスペンスには終わらせない盛りだくさんの3部作はミカエルとリスベットというちょっと風変わりなキャラクターを残して終わった。この壮大なミステリーは4部5部と続くはずだったが50歳の若さで急死したS・ラーソンとともに陽の目を見そうもない。
3部作のなかでは1部のできが一番良かったと思うが、これは話の面白さとニールス・アルデン・オプレヴ監督の手腕によるものだろう。その1部をデヴィド・フィンチャー監督、ダニエル・グレイグ主演でリメイクされるのを楽しみにしたい。
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