・ S・キングの代表作を映画化したホラー版「スタンド・バイ・ミー」。
「シャイニング」「ミザリー」のスティーヴン・キング代表作で90全米でヒットしたTVドラマを、監督2作目の新鋭アンディ・ムスキエティで映画化。
メイン州の田舎町デリーである大雨の日、ビルの弟ジョージーが行方不明になる。独りで外出させた責任を感じているビルの前に現れた<それ>が恐怖の始まりだった。
悲しみが消えないビルやルーザース・クラブ(負け犬クラブ)の仲間に現れる<それ>は、赤い風船とともに不気味なピエロ・ペニーワイズ。ひと夏の青春物語で、ホラー版「スタンド・バイ・ミー」だ。
ビルは吃音症で、仲間たちは喘息持ちのマザ・コンや転校生で肥満児だったり、親のト殺業が馴染まない黒人やユダヤ教のラビの息子など様々な境遇で、それぞれ本人なりの恐怖感がある。
ビッチの噂がある紅一点ベバリーは、父親から性的虐待を受けている少女。
仲間の7人を虐めるヘンリーたち不良グループにも風船は現れ、大人たちの無関心をよそに子供たちが消えて行く・・・。
コンプレックスを持った子供たちにしか見えないペニー・ワイズ。
ビル・スカルフガルズという27歳の長身イケメン俳優が扮しているが無論素顔は見せない。幻想的な衣装と髪の毛や目の演技で恐怖感を煽る。
モデルはジョン・ケイシーという実在の男がピエロの格好で子供たちを誘拐して33人殺害したことから。サーカスでのピエロのようなコミカルさも哀愁もなく、<道化恐怖症>という言葉が生まれている。
ビルに扮したジェイソン・リーバーバーは、「ヴィンセントが教えてくれた」(14)の少年オリバーだった。子供の成長は速く最初は分からなかった。
監督のデビュー作「MAMA」(未見)に出演していたのがフィン・ウルフハード。口達者の臆病者はビルのコメディ・リリーフ的役割。
ベバリー役のソフィア・リリスは、この時期の微妙な感性を表現していた美少女で今後が楽しみ。
父親殺しや下ネタ、流血シーンがありR15+だが、全米で大ヒットし、27年後の彼らが帰ってくる続編が19年完成するという。
ロードショー公開では決して観る気が起きない本作が楽しめたのは飯田橋ギンレイホールのお蔭だ。続編も観てみたい。
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