晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『パニック・ルーム』 80点

2013-02-25 12:55:05 | (米国) 2000~09 




パニック・ルーム


2002年/アメリカ






D・フィンチャーの密室サスペンスは意外にもオーソドックス





プロフィール画像

shinakamさん


男性






総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
75点




キャスト

★★★★☆
80点




演出

★★★★☆
80点




ビジュアル

★★★★☆
85点




音楽

★★★★☆
85点





「セブン」「ゲーム」「ファイトクラブ」で独特の世界を創り上げてきた鬼才・デヴィッド・フィンチャーによるサスペンス劇。老富豪が住んでいた4階建てのタウンハウスに引っ越してきた母娘が、3人の強盗に入られ緊急避難用密室に立てこもって攻防を展開する。
デヴィッド・コープの脚本はヒッチコックを多分に意識したような密室サスペンス。フィンチャーはそれを映像化することに専念した結果、室内を縦横無尽に駆け回るスタイリッシュなカメラワークに最大のエネルギーを注いだのだろう。そのため鍵穴からカメラが入ったり、ハイスピードを使ってスリル感を煽ったり、フィンチャーらしいタッチが全面に出ていた。
ただし従来フィンチャーが映像化してきたテーマ性の重みはないのでそれを期待していると肩透かしをくらいそう。あくまでオーソドックスに3人の強盗と母娘を巡る密室劇なのだ。
母・メグはB級アイドルと浮気したため離婚した夫に家を買わせてこれからの生活を思案中。娘・サラは糖尿病を患う11歳。NYの大都会でそれぞれ先行きが不安な新生活なのだ。対する強盗の主犯は老富豪の甥で、パニック・ルームに莫大な資産があるのを知って、それを盗みにくる。誘われたバーナムは家庭の事情で金が必要で、警備会社の知識が豊富。無人の家に押入ると聞きその気になった。もう一人、凶暴な男ラウールは大金だけが目当てのマスク男。5人のそれぞれの事情でパニック・ルームでの攻防が展開する。そのハラハラどきどき感を観客が共有できるかが最大のハイライト。
ヒロインを演じたのはジョディ・フォスターでニコール・キッドマンのケガによる降板の代役。妊娠中にも関わらず床に叩きつけられるシーンなど大熱演。(N・キッドマンはノン・クレジットでB級アイドルの声で出演している。)サラを演じたのはクリステン・スチュワート。この頃はボーイッシュな少女で少年のよう。強盗の3人でヒトキワ目立ったのはバーナム役のフォレスト・ウィテカー。得てして単調なドラマに大きなアクセントとなって根っからの悪ではないため混乱のもとになる。終盤で離婚した夫や警官が登場してくるが、殆どこの5人でドラマが進行する。大人版「ホームアローン」という批評があって成程と思ったが、奇を衒ったサスペンスでガッカリする必要のない展開に一安心。







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