赤いアモーレ
2004年/イタリア
美しいP・クルスの新境地
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 80点
演出 80点
ビジュアル 85点
音楽 80点
マーガレート・マッツアティーニ原作のベストセラー小説「動かないで」を夫君のセルジオ・カステリットが監督・脚本・主演の3役を務めた愛のドラマ。エリートの外科医ティモーティオ(S・カステリット)が美しい妻エルサ(クラウディア・ジェリーニ)を持ちながら偶然出会った社会の底辺に暮らす貧しい女(ペネロペ・クルス)を衝動的に犯すが、何故かどんどん惹かれてゆく。女の名はイタリアで、自分の運命を受け止めながら決して必要以上のものを欲しがらない。ひたすらティモティーオを受け入れる。その一途さがティモティーオをトリコにしてしまう。
まるでイタリア版・渡辺淳一の不倫ものだが、達者な3人の演技と回想シーンを巧く取り入れたシナリオ・美しい映像・ルチオ・ゴドイによる切ない音楽で120分を別世界に浸らせてくれる。
P・クルスはイタリア語を完璧にこなしているそうで、女優魂をこめた貧しい女に成りきっている。前歯の隙具合、ガニマタで走る姿は美しい女を演じてきたP・クルスの新境地。子供を中絶することが罪であるカソリックの国イタリア。その名を持つ女の妊娠は、悲劇への始まりである。高潔な女の美しさを魅せてくれたP・クルスなくしてこの映画は成立しなかった。このほどJ・バルベムと結婚し第1子が誕生した彼女はこの作品をどう思っているのだろう。
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