パリで一緒に
1963年/アメリカ
パリ好きでオードリーのファンなら楽しめるかも。
shinakamさん
男性
総合 70点
ストーリー 60点
キャスト 85点
演出 60点
ビジュアル 70点
音楽 80点
「舞踏会の手帳」「望郷」などフランスの名匠ジュリアン・デュヴィヴィエ「アンリエットの巴里祭」(52)のリメイク。「麗しのサブリナ」で共演したウィリアム・ホールデン、オードリー・ヘップバーンの10年振りの競演で全編パリで撮影となれば期待が大きく膨らむ。
「エッフェル塔を盗んだ娘」という映画のシナリオを執筆中の脚本家ベンソン(W・ホールデン)と雇われタイピストのガブリエル(A・ヘップバーン)があと2日で完成させる奮闘ぶりを描きながら、劇中劇で役柄を同時進行させるシュチエーション・コメディ。この手法が得意なリチャード・クワイン監督とジョージ・アクセルロッドの脚色だが成功したとは言えない。
なにしろカメオ出演が豪華で目が離せない。とくにトニー・カーティスがガブリエルの恋人で、役名はトニー・カーティス似の売れない俳優・フィリップ。劇中劇でも警官2で登場するドタバタでカメオとはいえない出番が多い。さらにマレーネ・デートリッヒが本人役、当時オードリーの夫・メル・ファーラーがジキルとハイドの仮装であらわれピーター・セラーズも。劇中の主題歌はフランク・シナトラ、挿入歌がフレッドアステアという嗜好。
ところが肝心のストーリーが少しも盛り上がらない。名画のパロディを次から次へと披露するため詳しい映画ファンにはそれだけで面白いのだろうが、筆者は不覚にも途中ウトウトしてしまった。劇中劇の2人はカサブランカのリックと望郷のギャビーなのはご愛嬌だが、シーンシーンでのパロディには笑えないものが多く、<素晴らしい映画とは?>という台詞までパロディか?と思ってしまった。
ジバンシーの衣装で相変わらずファッション・モデルのようなオードリーがパリで大活躍するのを観るだけで満足というファンなら楽しめるのかも。
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