晴れ、ときどき映画三昧

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『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』 80点

2009-10-04 14:04:10 | (米国) 2000~09 

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官

2008年/アメリカ

ハリソン・フォード起用の意味は?

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

南ア出身の新鋭ウェイン・クラマーが、自身の短編をハリソン・フォード主演でリメイク。さまざまな国からロスへ不法滞在している人々と、それを取り締まる移民局I.C.E捜査官とのヒューマン・ドラマ。
紡績工場で不法労働のメキシコ人ミレア(アリシー・ブラガ)。南ア出身でミュージシャン志望のキャビン(ジム・スタージェス)とオーストラリアからきた女優志望のクレア(アリス・イヴ)。バングラデシュ出身の高校生タズリマ(サマー・ビシル)を擁護する弁護士デニス(アシュレイ・ジャッド)。不良グループにコリアタウンへの強盗を強要されたヨン(ジャスティン・チョン)とイラン出身のI.C.E捜査官ハミード(クリフ・カーティス)。それぞれのハナシがクロス・オーバーしながら移民で成り立つ自由の国の複雑な内情と個人の夢や家族の幸せのため必死に生きる移民たちの物語が繋がって行く。ロスを舞台に人種問題をテーマにしたアカデミー賞受賞作品「クラッシュ」に似た構成である。
H・フォードは人情味あふれるベテラン捜査官に扮し好演だが、いつものヒーローとは違う群像劇には違和感があり、全体の雰囲気とは浮いた存在。彼の起用の意味は作品の重みと興行上の理由か?
編集で30分ほどカットされたので無駄のない展開だが、少し説明不足の部分も。社会派ヒューマン・ドラマとしては少し物足りなかった。
米国で自由を得ながら妹の生活振りに苦悩するハミード役のC・カーティスとA・ジャッドの気品ある美しさが目立っていた。レイ・リオッタの人間臭い移民判定官も相変わらずの悪役振りで印象的。