晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『フェーンチャン ぼくの恋人』 75点

2009-08-20 10:30:46 | (欧州・アジア他) 2000~09

フェーンチャン ぼくの恋人

2003年/タイ

誰にでもあった甘酸っぱい想い

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆75点

ビジュアル ★★★★☆75点

音楽 ★★★★☆75点

365フィルムズ・プロダクションズというタイの若手映画制作集団による、少年時代の初恋と友情の物語。監督6人脚本7人という異色の組み合わせながら、ひとつの物語として纏まっているのに驚き。
80年代タイの田舎町に住むジアップ(チャーリー・タライアット)の家は理髪店。1軒おいて隣にも理髪店があり同い年のノイナー(フォーカス・ジグラン)とは生まれたときからの仲良し。
同い年の小学生は女の子のほうが成長も早く、遊びはオママゴトやゴム跳びばかり。そろそろ男の子の遊びをしたくてもジャックなど悪ガキの仲間には入れてもらえない。
誰にでもあった少年時代の甘酸っぱい想いと男同士の友情が繰り広げられ懐かしい。インド映画で観られる随所に流れる音楽は当時流行していたタイの歌謡曲なのでタイの観客に熱烈な支持を受けたのも頷ける。
主演の2人は愛らしく、とくにノイナー役のF・ジグランはタイ版チャン・ツィイを思わせる国民的アイドルとなった。ドラえもんのジャイアンを連想させるジャックの悪ガキぶりも微笑ましい。
「小さな恋のメロディ」「スタンド・バイ・ミー」「ドラえもん」と随所にパクリが見られるのはご愛嬌。ラストシーンと編集に思い切ったメリハリが欲しかったのが減点要因だが、忘れていた落し物が戻ったような幸福感に浸れ得した気分。