晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『会議は踊る』 85点

2009-08-07 15:58:22 | 外国映画 1945以前 

会議は踊る

1931年/ドイツ

トーキー初期シネ・オペレッタの傑作

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆90点

音楽 ★★★★☆90点

エリッヒ・ポマーが音楽劇の監督エリック・シャレルを起用して19世紀初頭のウィーン会議を舞台に繰り広げるオペレッタ映画の傑作。
ナポレオンのエルバ島流刑を機にヨーロッパの平和と秩序を守ろうと開かれたウィーン会議。オーストリア宰相のメッテルニヒ(コンラート・ファイト)は主導権を握ろうと連日宴会とパーティで各国首脳を骨抜きにしようとする。折りしも若きロシア皇帝アレクサンドル(ヴィリー・フリッチ)は、手袋やのクリステル(リリアン・ハーヴェイ)の鞭打ち25回の刑を助けることがキッカケで恋に落ちる。
トーキー映画の初期に音楽とカメラワークを駆使した魅力的な映像は、映画史に残る名作といわれている。なかでも酒場で歌うパウル・ヘルビガーの「新しい酒の歌」やクリステルが馬車で別荘へ向うときに流れる「ただ一度だけ」は誰でも一度は聴いたことがあるハズ。そのシーンの長廻しの映像は今観てもこれぞオペレッタと納得。
ヒトラー政権前にこんな楽しい映画を作ったドイツは、2年後に暗黒のときを迎える。人材もちりじりバラバラになってしまったが、そのテクニックは世界の映画に反映されている。