会議は踊る
1931年/ドイツ
トーキー初期シネ・オペレッタの傑作
総合 85点
ストーリー 80点
キャスト 80点
演出 85点
ビジュアル 90点
音楽 90点
エリッヒ・ポマーが音楽劇の監督エリック・シャレルを起用して19世紀初頭のウィーン会議を舞台に繰り広げるオペレッタ映画の傑作。
ナポレオンのエルバ島流刑を機にヨーロッパの平和と秩序を守ろうと開かれたウィーン会議。オーストリア宰相のメッテルニヒ(コンラート・ファイト)は主導権を握ろうと連日宴会とパーティで各国首脳を骨抜きにしようとする。折りしも若きロシア皇帝アレクサンドル(ヴィリー・フリッチ)は、手袋やのクリステル(リリアン・ハーヴェイ)の鞭打ち25回の刑を助けることがキッカケで恋に落ちる。
トーキー映画の初期に音楽とカメラワークを駆使した魅力的な映像は、映画史に残る名作といわれている。なかでも酒場で歌うパウル・ヘルビガーの「新しい酒の歌」やクリステルが馬車で別荘へ向うときに流れる「ただ一度だけ」は誰でも一度は聴いたことがあるハズ。そのシーンの長廻しの映像は今観てもこれぞオペレッタと納得。
ヒトラー政権前にこんな楽しい映画を作ったドイツは、2年後に暗黒のときを迎える。人材もちりじりバラバラになってしまったが、そのテクニックは世界の映画に反映されている。