ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

東北大震災と医療問題:災害医療のコーディネーターが必要

2011年03月30日 | 時事問題
医療に関する提言・レポートfrom MRIC by 医療ガバナンス学会(2011年3月28日) 「災害医療のコーディネータと患者搬送の効率化を」 荻野美恵子 北里大学医学部神経内科より

 福島県いわき市いわき共立病院から人工呼吸器装着神経難病患者のヘリ搬送依頼を受け、筆者は3月20日添乗医師として飛行機でいわき市に着いた。患者のヘリ搬送には自衛隊の協力を得るため内閣府災害本部を経由して依頼される。いつヘリが飛べるようになるか分らないので(亀田病院8名、北里病院5名のヘリ搬送が3月23日に行えた。)非難所の診療のお手伝いをした。そこで見たいわき共立病院の医療現場は、不眠不休の戦場のようなもので、患者さんは誰でも受け入れるという方針のもと、100名以上の透析患者を受け入れるということである。やはり受け入れ事務連絡や、搬送依頼に医師が忙殺されるのは効率的では無いという感を受けた。マッチング・コーディネートをする部署があればもっと医師が本来業務に活躍できるはずです。

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3月30日午前8時 茨城県空間線量率データ(茨城県放射線テレメータより)
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
測定局    NaI線量率nGy/h   風向    風速m/s
日立市大沼     446       北東    3.0
東海村石神     346       北西    0.5
水戸市吉沢     184       北北東    0.9
鉾田市徳宿     260       北北東    1.7
(22年度測定値の統計はほぼ30-50nGy/hの範囲にあった。)
最近は晴れが続いているため、放射線量はかなり低減してきた。


読書ノート 枝野幸男著 「事業仕分けの力」 集英社新書

2011年03月30日 | 書評
事業仕分けが起こした政治文化刷新の新風 第1回

 2009年11月、鳩山新政権が設置した行政刷新会議による「事業仕分け」は、世論調査では国民の8割が支持した。徹底した情報公開、裏取引に無い透明性、国民を納得させる説明責任、取材・傍聴の自由化など日本における政治文化のターニングポイントとなった。この仕分けの総括として、作業をリードした枝野幸男氏は、事業仕分けでの功績を買われ、2010年2月、藤井財務大臣の突然の辞任による内閣人事により、仙石氏の後をついで行政刷新担当大臣に任命された。事業仕分けと行政刷新は政治の動きとしては方向が一致するからであろう。この仕分け人総括者自らが、昨年11月の第1次「事業仕分け」の総括を行なったのが本書である。もちろん行政刷新会議にも報告書が出ているが、第1次「事業仕分け」の目的、方法、成果を1冊の本にまとめられたのは、2010年4.5月から始まった独立行政法人と公益法人を対象とする第2次「事業仕分け」を前に、実にタイムリーな本となっている。一読しておいて損は無い。新聞紙上では毀誉褒貶が激しく、揶揄する論調が多い中で、事業仕分けの実相を知っておくことは重要であろう。国の債務残高は2010年末に973兆円になるという。この巨額な債務残高はもはや待ったなしの対策を要求している。意義の不明な事業や、事業の重複、ピンはね、中抜き構造など、行政機構の無駄をあぶりだして国民の税金の使われ方を透明に議論することはまさに時代の喫緊課題である。仕事の専門家といわれ、優秀といわれる官僚たちが、いかに国民の税金を無駄使いしてきたかを白日のもとにさらすことが「事業仕分け」の役割であろう。仕分けのテレビ報道で、しどろもどろの回答しかできない官僚の姿を見ると、官僚無誤謬神話は完膚無きまでに打ち砕かれた。原子力安全神話より脆かった。この国を官僚特権階級によって食いつぶされないように、私たちはしっかりこの事業仕分けと行政刷新会議を見つめてゆかなければならないだろう。
(つづく)

文藝散歩 坪内稔典著 「柿への旅」 岩波書店「図書」

2011年03月30日 | 書評
「図書」2010年3月号 「柿への旅」⑪ 「帯のところが渋かりき」

明治30年、正岡子規は京都産寧坂にすむ禅僧で歌人の天田愚庵から柿15個を人を介して頂き、その贈答句として俳句三句と和歌六歌を返した。俳句は「御仏に供えあまりの柿十五」、「柿熟す愚庵に猿も弟子もなし」、「つりがねの帯のところが渋かりき」で、和歌(子規は狂歌というが)のなかで「世の人はさかしらをすと酒飲みぬあれは柿くいて猿にかも似る」の歌で、子規は新しい時代の歌人になったという。生涯、子規の柿の俳句は120余句ある。
(つづく)

筑波子 月次絶句集 「故人消息」

2011年03月30日 | 漢詩・自由詩
故人災異隔参辰     故人災異にして 参辰を隔ち

憂慮思君夜復晨     憂慮君を思て 夜復た晨

月満深沈誰共酔     月満ちて深沈 誰と共に酔はん
 
風虚浅水又経春     風虚しく浅水 又春を経ん


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(韻:十一真 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)

CD 今日の一枚 ラフマニノフ、チャイコフスキー 「ピアノ協奏曲」

2011年03月30日 | 音楽
①チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」作品23 ②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」作品18
ピアノ:フィリップ・アントルモン
レナード・バーンシュタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー
ADD 1960,1961 CBS/SONY

もう極めつけのロシアの二大ピアノ協奏曲です。切れのよさ、壮大さでは天下一品です。