ブログ 「ごまめの歯軋り」

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文藝散歩 坪内稔典著 「柿への旅」 岩波書店「図書」

2011年03月30日 | 書評
「図書」2010年3月号 「柿への旅」⑪ 「帯のところが渋かりき」

明治30年、正岡子規は京都産寧坂にすむ禅僧で歌人の天田愚庵から柿15個を人を介して頂き、その贈答句として俳句三句と和歌六歌を返した。俳句は「御仏に供えあまりの柿十五」、「柿熟す愚庵に猿も弟子もなし」、「つりがねの帯のところが渋かりき」で、和歌(子規は狂歌というが)のなかで「世の人はさかしらをすと酒飲みぬあれは柿くいて猿にかも似る」の歌で、子規は新しい時代の歌人になったという。生涯、子規の柿の俳句は120余句ある。
(つづく)


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