2142冊目はこの本。
井上亮『忘れられた島々 「南洋群島」の現代史』(平凡社新書、2015年)
久々のブログ更新が、約1か月ぶりの本の紹介になってしまった。
やはり「戦後70年の節目」ということで、この約1か月はアジア太平洋戦争関連の本をよく読んだ。
この本もそのなかの1冊。もともと近代日本の植民地教育史に関心があった時期があって、そのときに「南洋群島」のことを扱った文献も読んでいたのだけど、あらためてこのような新書でまとめてもらえると、とてもうれしい。日本の植民地教育というと朝鮮半島、台湾がどうしても注目されがちだけど、ほんとうは樺太、関東州(プラス後の「満州」)、南洋群島、そしてアジア太平洋戦争の占領地と、それぞれの特色を見たほうがいい側面もある。この南洋群島での植民地教育の場合、やはり「委任統治」という文脈とか、それまで欧米諸国が植民地支配をしていてもほとんど何も施策をしてこなかった島々であること、海軍による軍政期の存在など、いろんな要素がからんで、台湾や朝鮮半島とは異なる部分があるようだ。