できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

対文科省交渉のユーストリーム中継を見て思ったこと

2011-05-02 23:45:53 | ニュース

http://www.ustream.tv/recorded/14425806

福島の子どもたちを放射能から守れ!「20ミリシーベルト」撤回政府交渉・文部科学省・原子力安全委員会との交渉

今日はこの交渉が午後、文部科学省・原子力安全委員会を相手に、さまざまな立場の市民団体が協働する形で(という説明でいいのでしょうか?)行われました。ツイッターで細川弘明さん(京都精華大学教員)が細かく状況を伝えてくださったので、おおよその状況は上記のユーストリーム中継を見なくても把握できました。なんともまぁ、市民団体側の意見や質問に対して、文部科学省・原子力安全委員会側はほんと、なにもまともな答えができてないというか、ひどい対応だなぁ・・・・と思います。

いま、あらためてこのユーストリーム中継を見ながらこのブログを書いているのですが、市民団体の代表者や社民党の福島瑞穂議員らの質問・意見に対して、文部科学省や原子力安全委員会側の説明は「これでいいの・・・・?」というしかないですね。

というよりも、放射線被曝のリスクに対する学校での子どもの保護措置に関して、理屈の上でつきつめていけば、どう考えても市民団体サイドの主張のほうがまっとう。放射線被曝のリスクをさげるための措置とか、子どもを安全な場所に避難させる措置とか、すでに汚染されている恐れのある校庭の土などの除染措置とか、そういうあらゆる防護策を講じることを求めている市民団体に関して、文科省や原子力安全委員会側は「モニタリングしている」という程度のコメント以外出てこない。

これでは、とてもではないですが、市民団体サイドは納得しないでしょう。この中継でも、ひとつひとつ文科省サイドが答えた内容に対して、市民団体サイドがあいまいな点を突っ込んで、言い逃れができないように確認をとったり、不適切な回答については撤回させたりしています。ということは、いかに文科省サイドの対応には、市民団体サイドが求めている子どもの防護策が欠けているかを示している、といわざるをえません。

ちなみに、子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)では、第6条第2項で「締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する」と定めています。また、同第4条「締約国は、この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずる(後略)」と定めています。

この子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)の趣旨に沿えば、どう考えても、原発事故に関する子どもへの対応策は何かにつけて「現在とりうる最も安全な道」を適用してしかるべきはず。文科省・原子力安全委員会はいったい、何を考えているのか・・・・というしかありません。 

もちろん、子どもの権利条約の諸原則の実現に今まで消極的だった日本政府、特に文部科学省ですから、今後もこの放射線被曝の危険にさらされている子どもの保護措置については、「一筋縄ではいかないだろう」とは思います。

しかし、今こそ、あらゆる方法・ルートを使って、今回の市民団体のみなさんのように、「子どもたちの最善の利益」の実現に向けて、私たちは何かと積極的にものをいうべき時期が来ていると思います。そのために、あらためて子どもの権利条約の諸原則の確認、そこをふまえての現状批判の作業が大事なのではないか、と思っています。

今日はこの市民団体のみなさんの動きに、私も勇気付けられた思いがします。ありがとうございました。

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