アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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「野党共闘」と天皇制

2019年06月18日 | 天皇制と日本の政治・...

     

 参院選に向け、野党5党派は1人区で共同候補を立てることで合意しました。
 一方、天皇制について、日本共産党、立憲民主党、国民民主党がこれまでに政策・見解を明らかにしました。3党それぞれに違いがあるのは当然ですが、とりわけ共産党と立憲、国民2党には根本的な相違があります。

 共産党の見解(「天皇の制度と日本共産党の立場」6月4日付しんぶん赤旗)は、「現制度は何よりも『世襲』にもとづく制度であり、それ自体が人間の間に差別や身分的秩序をつくりだす制度であるという点で、『民主主義および人間の平等の原則』と両立するものではありません。綱領では、現制度に対するこうした『認識』をのべたうえで、『民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだという立場に立つ』と表明しています」(志位和夫委員長)というものです。
 これは天皇制への根源的批判であり、同党が天皇制を否定する立場であることを示しています。そのうえで同党は、「その(天皇制)の存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきもの」という立場です。

 これに対し、立憲民主党は皇位継承について「女性・女系天皇」を認めるとしていますが、その理由は、「男系に固執するあまり、皇統そのものを途絶させることは甘受できない」「皇族の世襲を維持しつつ、現代の視点から歴史と伝統に厚みを持たせ、本質的要請に応える」(12日付中国新聞=共同配信)ためとしています。

 また、国民民主党も「男系の女性天皇を容認する」とし、それが「安定的な皇位継承策」(8日付中国新聞=共同配信)だとしています。

 すなわち立憲も国民も、基本的に天皇制に賛成で、それを「安定的」に継続させる立場に立って、女性天皇あるいは女系天皇を容認すべきだとしているのです。これが共産党の立場と根本的に相違していることは明らかです。

 もちろん、今回の参院選あるいは当面の選挙は天皇制の是非を問うものではありませんから、こうした根本的相違が「共闘」の障害になることはありません。問題は、にもかかわらず、「野党共闘」を追求するあまり、共産党の天皇制に対する方針・言動が近年、他の野党に合わせるように変質してきていることです。

 その典型が、天皇が臨席する国会開会式に対し共産党が出席へ方針転換したことです。

 天皇臨席の国会開会式については、共産党は今でも「『天皇主権』の時代の儀式をそのまま踏襲する」(志位氏)と批判していますが、批判しながら2016年1月の国会から「出席」に方針転換しました。きわめて不可解ですが(6月10日のブログ参照)、その陰に、小選挙区制による保守2大政党制が持論で共産党を「野党共闘」に引き込もうとしている小沢一郎氏の影響(進言)があることは見過ごせません。
 共産党が国会開会式出席に踏み切る数カ月前、小沢氏は雑誌のインタビューでこう述べていました。

 「私は、共産党に今度は国会の開会式に出ろと言っているのです。日本国憲法を守るというのだから、天皇制も認めて出るように言っているのです。そうすれば、ものすごく話題になりますよ。今までボイコットして出なかったのだから。共産党も、いま清水の舞台から飛び降りたのだから、他の政党はもう少ししっかりしないといけません」(「月刊マスコミ市民」2015年12月号)

 政党間の共闘とは、不一致点は将来の課題とし、一致点で協力することです。それは共産党の方針でもあるはずです。「野党共闘」を追求するあまり、天皇制への見解・政策という根本問題で他の党に合わせていくことが「真の共闘」とは無縁であることは明らかでしょう。
 結果、国会(日本の政界)は天皇制を批判するもののない、「象徴天皇制」翼賛国会と化しているのです。


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