角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

贅沢な草履。

2015年11月19日 | 実演日記
お伝えしておりますように、2016年元日から角館草履の価格が四年ぶりに改正されます。値上げ前のご注文が十月くらいから見え始め、今月に入りはっきり増えてきました。現在2週間~3週間を納期にいただいておりますが、おそらく十二月に入れば落ち着くものと予想しています。たとえ納品が年を超えましても、大晦日までにいただいたオーダーにつきましては現在の価格でお届けしますことをあらためてお知らせいたします。

仙台市からお越しの女性三人旅は、六十代後半とお見受けする姉妹とお一人の娘さんでした。宮城県の海沿いに暮らしていたみなさんは、東日本大震災で津波被害に遭われたそうです。五年近くに及んだ仮設住宅暮らしが期限を迎え、最近仙台市内に新たな生活の場を設けました。姉妹のお姉さんが角館草履に高い関心をお寄せくださり、ご自分用のオーダーです。

『まだこういう贅沢が出来る身分じゃないんだけど、やっぱり足のことはねぇ』と苦笑いするおばさま。
角館草履のご愛用者には、年金暮らしのご高齢者も少なくありません。価格改正は致し方ないとして、それだけご満足いただける草履をお届けするのが私の責務と感じています。こちらのおばさまにも決して贅沢ではなかった、買って良かったと感じていただける草履をお届けしなければいけませんね。
コメント (2)
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