角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

わが家の三方良し。

2015年11月02日 | 製作日記





今日の草履は、大仙市南外のおばさまのオーダー草履です。角館草履草創期からの常連さんで、毎回一年に満たずお求めくださいます。それは古い草履をすぐ棄てるのではなく、常に3足ほどを交互にご利用なんですね。いつも配色に特段のご希望をされないおばさまには、この時季を象徴する「紅葉草履」にしてみました。もうお履きになっていると思います。

角館武家屋敷通りの紅葉は最後の美しさを維持しています。明日から比較的お天気続きのようですから、あと一週間から十日くらいは愉しんでいただけるんじゃないでしょうか。
十一月に入り、トップページの実演スケジュールカレンダーを更新しました。今年ももう残り二ヶ月、ときの速さが年々増しているように感じます。睡眠時間だけはたっぷりとる私が言うのもナンですが、一日がもう少し長いと嬉しいかもしれません。

数日前から夜間一時間程度の残業をしています。例年であればそろそろオーダーが落ち着き、少しずつでも展示品在庫ができる時期なのですが、今年については未だに十日~二週間程度の納期をいただく状態が続いています。オーダー草履を一日でも早くお届けするために、仕事時間を一時間増やしたわけですね。睡眠時間を減らさず仕事時間を増やすためには、晩酌を休むしか手立てがありません。

近江商人が云った「三方良し」は、「売り手」「買い手」「世間」の三つに恩恵があってこそ上手な商いという教えです。私の一時間残業の恩恵は、一日でも早く草履が届く「お客様良し」、休肝日が増えて「体調良し」、台所片づけが早く済む「カミさん良し」。わが家の「三方良し」であります。
コメント (2)
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