角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

子どもと日本文化。

2014年12月02日 | 地域の話




今日の草履は、昨日の「今日の草履」と同じご注文主さんでご自分用です。唐草模様が大好きとおっしゃる女性は、『ピンクの唐草はありますか?』とお訊ねでした。あいにく唐草にピンクはありませんから、赤の唐草をベースに優しい可愛らしさを表現したのがこちらです。
女性は味噌汁文化を子々孫々に伝える活動をライフワークとしています。ともすれば時代に埋もれかねない日本文化に陽を当てる信条。これに草履職人が共感しないはずがありません。きっと素敵に履いてくださるでしょう。

一昨日の落語もそうですが、日本文化というものはしみじみ良いものだと感じます。これも加齢現象のひとつと思いながら、私が唯一寄席を訪れたのは二十代半ばのことでした。サラリーマン時代名古屋市へ出張し、社長に連れて行かれたのが「大須演芸場」。さきごろ惜しまれながら閉館となった寄席です。当時から客席はまばらで、出演の芸人さんも駆け出しのせいかずいぶん緊張しているのが分かりました。私も営業マンの端くれでしたから、義理で笑った記憶がありますよ。

一昨日の落語には三女も同行しました。十九歳で落語というのも地味ですが、本人が行きたいと言ったものです。誰から聞いたのか、『相撲と歌舞伎は生きてるうちに一度観たほうがいいってよっ』。落語は入っていないんですけどね。
帰宅してから感想を訊くと、面白かったそうです。確かに会場には若者も何人かいましたし、小学生くらいの姿もありました。オチや噺の中身で笑っているというより、噺家さんの身ぶり手ぶりが可笑しかったんじゃないですかね。事実三女もオチの意味は分からなかったそうです。

「今日の草履」のご注文主さんも、若いお母さんや子どもたちを対象に味噌汁イベントを展開しています。小さいうちから日本文化に触れるのは、とても大事なことだと思います。これもひとつの加齢現象ですね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする