角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

統合と独立。

2014年09月19日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
少しうるさいくらいのプリント柄ですが、優しくて温かみを感じる配色ではありますね。ときに口やかましく感じても、やっぱりその優しさにほっこりする瞬間がある。世の中に多い母親の感じでしょうか。タイトルは「フツーのお母ちゃん」がよいと思います。
今日も少し展示品が増えました。『ま~、綺麗な草履ですねっ』の言葉を聞くと、フツーの草履コーナーに戻った気がします。

ここ数日マスコミを賑わしていたのが、スコットランドの独立問題です。日本では自治体にしろ学校にしろ合併統合ばかりが話題ですから、ちょっと新鮮にこの話を聞いていました。途上国が力をつけて独立というのではなく、成熟した先進国というのも関心を寄せるところです。
今ほどのネットニュースを読むと、住民投票の結果「否決」されたそうですね。ひとまず独立断念となりました。

角館で「分離独立」といえば、お祭りのヤマを思い浮かべます。私が生まれる遠く以前、お祭りのヤマはむしろ「合併統合」の歴史でした。岩瀬町というヤマと下新町というヤマが合併して今の「本町通り」、中町というヤマと下中町というヤマが合併して「中央通り」といった具合です。
それが私が生まれた後のこの半世紀は、転じて「分離独立」の時代に入ります。

横町から分離して「桜美町」、菅沢から分離して「東部」、岩瀬から分離して「大塚」、北部から分離して「川原町」が生まれています。町が郊外型に変わり人口が外へ増え出すと、自然にそうした空気が生まれるのでしょうか。いずれにしても「暖簾分け」のような円満独立は極めて異例ですね。夫婦であれ友人であれ、人の関係が割れるときは多少なりとも不穏な空気になります。この中で良好な関係を維持しているのは横町と桜美町だけでしょう。

角館のお祭りは「みんな仲良く」といった一般社会とは異なります。そうした関係性もこのお祭りを面白くする要素といって過言ではないでしょう。ちなみにお祭り中日八日の夕方から各所で観られる「観光用激突」は、仲の悪いヤマ同士で組み合わせることはありません。お祭りにまだ不慣れな方には、重要な参考になると思います。

さてスコットランドの独立否決は、今後どんな展開を見せるのでしょうか。独立を果たしていればイギリス本国との確執は決定的だったでしょうが、否決されたところでフツーのイギリスにも戻らないでしょう。お祭りのヤマであればこそこれも余興ですが、国の話となれば楽しんでばかりはいられませんね。
コメント (2)
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