角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

角館サポーター。

2014年09月01日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
緑基調に黄金色を組み合わせて「秋」をイメージしてみました。今日から九月、北東北の九月はもう夏ではありません。行く夏を惜しみつつ、また秋に癒しを求める。そんな穏やかであり爽やかな草履に仕上がったと思います。
「今日の草履」は出来上がって間もなく、岩手県からお越しのおばさまがお持ち帰りです。

こちらのおばさまは三年前に還暦のクラス会で角館を訪れ、初めて角館草履をお買い上げでした。『まだ捨てるには惜しいんだけど、せっかく来たから新しいの買っていくわねっ』。経営する居酒屋さんのスタッフさんたちとの旅行で、ほかにお二方からもオーダーを賜りました。やはりお一人でもご愛用者が含まれると説得力が違いますね。居酒屋さんを経営されているだけあって、気風の良さが分かるおばさまでありました。

数人でお越しのグループ旅の中に角館草履のご愛用者が含まれると、その方は実に雄弁です。そういうときは完全に私がアシスタントに変わりますよ。私の説明では売り手のセールストークと解釈される可能性がありますが、ご愛用者の言葉はその点で大きく異なります。岩手県のおばさまも、『あら~、あたしのPRでまた二足売れたわねっ』とご本人も上機嫌でお帰りになりました。

埼玉県からお越しのグループ旅。おじさまとおばさま八名ほどは、七十代後半とお見受けしました。うちのお一人のおばさまが、『先月もここに来たんだけど、みんなに話したら行きたいって言うもんだから…』。みなさんとの様子をうかがっていると、完全に添乗員さんかバスガイド役でしたね。西宮家滞在時間もその後のスケジュールも、おばさまの一言で決まっていました。

こうして角館や角館草履をPRしてくださる方が全国にいてくれたら、そりゃあ心強いですよ。『角館だったらあたしが案内してあげるわよ~』という「角館サポーター」をたくさん作るのは、とても大事な観光政策ではないかと思います。
コメント (2)
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