角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

様々な老後。

2014年09月26日 | 実演日記
わが家の三女は介護施設に勤務しています。高卒18歳での就業はなかなか過酷を想像してしまうのですが、ここまでのところ親の心配をヨソに上手く慣れてきました。認知症のある入居者が複数といいますから、就業から三ヶ月で始まった夜勤には特に心配しましたね。
この間の敬老の日には、職員みんなで花笠音頭を披露したといいます。ゲストに大曲農業高校太田分校の飾山囃子クラブが招かれ、賑やかなお囃子と手踊りで盛り上げてくれたそうです。

介護施設で老後を送るのがごく自然な選択肢になりました。ときおりマスコミで不適切な施設運営が報道されますが、秋田県ではほぼ聞くことがありません。三女の仕事内容を聞いても、ご家族はまず安心していいんじゃないでしょうか。敬老の日もご家族が多数招かれ、一緒に楽しまれた様子を話してくれました。

今日お電話をくださったのは、埼玉県所沢市のおばさまです。九月の始めに角館を旅行され、その際にご夫婦で草履をオーダーされたお客様でした。
『おかげさまで重宝してますぅ。これを実家の母と姉にも履かせてあげたいので、送ってくださいますか?』。
送り先がご実家へ直送とのことでしたから、住所の間違い防止にFAXをお願いしました。帰宅すると確かに一通が届いています。そこには…

『先日お送りいただきました商品、履き心地満点です。96歳の母と、母の世話をしてくれている77歳の姉に感謝のプレゼントです。よろしくお願いします』

こちらのお母上のように、ご自宅で娘さんに介護を受けてらっしゃる方も当然いるわけです。施設介護と在宅介護のどちらが良いという話ではありませんが、お世話になっている感謝だけは忘れてならないでしょうね。三女もやがて、ご家族から感謝される職員へと成長してくれるのを願ってやみません。
そして私はその感謝の心を託された草履を、しっかりと編み上げてお届けしたいと思います。
コメント (2)
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