角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

ありのままの角館。

2014年09月02日 | 実演日記
夏休みが終わりいつもの生活に戻ったせいもあるのでしょう、散策される人影も幾分寂しくなっています。東京からお越しのご夫婦は、『お祭り前だから静かなんでしょ?』。この時期静かな理由にお祭りは関係ないかと思います。
それでも観光でお越しになる方がゼロということはありません。今日は千葉県柏市からお越しのご夫婦と、沖縄県那覇市からお越しの女性にオーダーを賜りました。ご縁の出会いとご来客の人数は、基本的にあまり関係がないとも思っています。

それでも思うのは、九月上旬に角館を訪れるのなら、なぜお祭りを選んでくださらなかったかですね。先の東京のご夫婦にもそんな話をしてみると、『あんまり人が多いときは遠慮したいよねぇ。お祭り直前だったら準備の雰囲気は愉しめるでしょ!?』。
実は角館のお祭りが観光客で埋め尽くされることはありません。曜日と無関係に日にちで決まっているせいなのか。お祭りの最高潮が深夜に及ぶせいなのか。はたまた単純な宣伝不足なのか。確定的な要因もまた分からないんですよ。

確かにかつては街中が人でごった返していた時代がありました。それは近隣在郷からのお祭り見物であって、いわゆる観光客として角館を訪れた人は昔から少なかったと思います。やがて角館を含む周辺人口が減少し、且つ高齢化が進んだことで見物客が減ったと見るべきでしょう。
角館のお祭りはご来場者に喜んでいただく「イベント」とは異なりますから、それはそれで然るべき結果ともいえる気がします。

ただ私が日々旅人と出会う中には、「ありのままの角館」に期待している方も多いです。迎合ばかりでない「素の角館」とでもいいますか。であればこのお祭りなどは最たるものだと思うんですよ。300有余年続く歴史もさることながら、このお祭りに向ける町民の心はまさに伝統として生き続いています。山鉾・屋台・曳山型のお祭りが好きな方々には、角館のお祭りも期待を裏切ることはないはずです。

五つの大置山のうち、駅前大置山に昨日人形が乗りました。東京のご夫婦がおっしゃるように、お祭りに向けた準備の雰囲気が伝わるでしょうか。












開き直るのではなく、桜まつりのように莫大な広告費をかけて誘客に力を注ぐのはいかがなものかとも思います。こうしたお祭りを好きな人は必ずいるものです。ご縁の出会いとご来客の人数は、基本的にあまり関係がないとも思っています。いよいよあと五日と迫りました。
コメント (2)
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