角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

角館ファンの若者。

2014年09月15日 | 実演日記
土曜日に僅かの雨があったものの、とても気持ちの良い天候の三連休が終わりました。それにしてもすっかり秋ですね。角館はお祭りが終わるとはっきり季節が進むのですが、今年もそれが顕著に感じられます。すでに晩夏も過ぎましたね。お祭りに曳き回された18台のヤマは、昨日の日曜日に各ヤマ小屋に格納されたようです。これも夏が去った角館の光景でしょうか。

秋の好天に誘われたかのように、町を散策する人影も多かったです。秋田市や盛岡市といった比較的近くのお客様はもとより、仙台市など東北各県からお越しの方々と親しくおしゃべりしました。仙台市のリピーターさんご夫婦は草履のお買い換えにお訪ねでしたが、あいにくお持ち帰りできる在庫がまだありません。一週間ほどでお送りできる旨お伝えすると、『来月栗を買いに来るから、そのとき寄りますよっ』とオーダーのみでお帰りでした。たびたび当地をお訪ねなんですね。

お若いカップルが実演席の前ではっきりと立ち止ったので、丸太椅子への着席をお勧めしました。すぐにお座りになった青年と少し話をして思い出したのは、これが初めてのお訪ねではなかったことです。今年2月20日4月27日のブログに登場の千葉県の青年でありました。今回は彼女もお連れで、草履職人のおっさんはこうした再会が大好きなんですよ。

この旅は計画というほどの計画ではなく、急に思い立って彼女に話したんだそうです。そのとき青年が彼女に言ったのは、『角館ってすごい面白いところじゃないよ。俺は行くけどどうする?』。青年が彼女に伝えたかった意味は、私もよく分かります。都会に暮らす大学生の女性がワクワクするような旅先ではないかもしれません。それでも青年は彼女を誘いました。そして彼女も二つ返事で同行を決めました。私はそれが嬉しいわけです。

今回は二月のときよりも長い二時間近くを丸太椅子で過ごしたお二人。彼女も角館と角館草履の実演席を愉しんでくれた様子です。次回は桜の季節を熱望していたお二人には、本当に来て欲しいと願っています。感性が近いお二人は、おっさんの勘でおそらく将来結婚するでしょう。角館とも末永いお付き合いになることを祈りたいと思います。
コメント (2)
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