角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

「父の日」の想い。

2011年06月15日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ときにこうした「和」の縞柄が入荷するのですが、「洋」のチェック柄と同じように巻かれると面白いです。ひとつひとつの色具合が落ち着いていますから、尚のこと和が強調されたと思います。
こちらのベース生地は入荷が2メートルのみのため、二足だけの製作となります。平生地はこちらです。



六月も半分が過ぎ、間もなく「父の日」がやってきます。私が「父の日」に関心があるのは、実演席でお客様の口から出る「父の日」の言葉ですね。「母の日」はまず間違いなく一定の人数がお買い上げくださいますし、『母の日に自分へプレゼントっ』とおっしゃるおばさまも複数いらっしゃいます。

対して「父の日」の需要は数分の一しかなく、『父の日に自分へプレゼントっ』とおっしゃるおじさまともまず出会いません。
ここ一週間くらいの様子を見ていて、男性がご自分用のみお買い上げのケースが複数ありましたが、奥様やお子さんが「父の日」と称してのお買い上げはありませんでした。

私の父、つまりカミさんの実父には、「作務衣パンツ」を贈ることにしました。私が日常に作務衣を着ているせいで、父も何着か持っています。これからの夏場は上着を着ませんから、パンツのみを別に持っておくと重宝なんですね。ちょうど私も今夏の分が欲しかったので、昨晩ネット注文しました。

すると半分に近い商品で「欠品」とあります。仕方がないので在庫のあるものを数点選んで送信すると、一時間ほど経って電話がありました。「希望発送日」を今日15日としたのですが、どうやら翌日出荷が厳しいとのことです。

今までは必ず翌日出荷してくれたのに、どうして今回ばかりは無理なのか。それは「父の日」向けの発送が立て込んでいるからなんですね。欠品が多いのも、そんな理由でした。
もちろん無理は言えませんから、二日間ほどの猶予を了解しました。それにしても父の日向けにそれほど忙しいとは、ちょっと羨ましく感じたものです。

そして今日の実演でも、とうとう「父の日」の言葉は聞けませんでした。それが帰宅してパソコンメールを確認すると、「ご注文メール」が一通届いています。そして草履職人へのメッセージ欄に、嬉しい一言を見つけました。
『愛用しています!とっても気持ちが良いです! 父が羨ましがっていますので、父の日ギフトにしたく注文いたします』。

「紺系おまかせ」のご注文でしたから、手持ちの在庫で一番カッコいい草履を明日発送する予定です。
19日まであと四日、この後も父の日用のご来店があるかも知れませんが、今日のメールで胸のつかえが消えた思いですよ。
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