角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

真剣な笑顔。

2011年06月11日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
定番配色⑤に近いピンクですが、⑤よりも若干明るいですね。いずれにしても、可愛らしく微笑ましい草履と思います。
こちらのベース生地も「夏」を表現していて、井桁プリントがさらに「和」を感じさせます。



今日から始まった「JR東日本ワンデイフリーパス」。新青森駅開業記念の意味合いが強いわけですが、中には“角館狙い”のお客様も少なからずおられました。本当にありがたいことと思います。
震災からこれまでは秋田県内のお客様が多く、角館草履のお買い上げも主にそうした地域に限られていたものです。それが今日は三組のご夫婦すべてが県外、今年に限っては比較的珍しい現象になっています。

東京からお越しのご夫婦。奥様が角館草履の配色に関心を持たれたようです。素材や健康効果をご説明し試し履きをお勧めすると、奥様はすぐにお買い上げを決められました。
今度はご主人、奥様の様子を見ていてご自身も関心がわいてきたんですね。おふたり仲良くお気に入りの配色をお選びでした。配色を選ぶときの「真剣な笑顔」、私はこのときが大好きなんですよ。

千葉県からお越しのご夫婦は、玉川温泉に三泊旅行でお見えでした。玉川温泉は文字通り「湯治」が多く、私もこれまでの実演でそうしたお客様と何人も会っています。こちらのご主人は子どもの頃足に大怪我をし、今でも痛みが残っているとのこと。そして奥様は胸に病をお持ちなんだそうです。ご夫婦共「健康」に少なからず思い入れがあって、角館草履との出会いもことのほか喜んでくださいました。やはり配色選びの「真剣な笑顔」がとても良かったです。

つい先日、カメラマンと思しき男性が近づいてきて、『このパネルを持って、笑顔を見せてくださいませんか?』。事情はすぐに理解できました。被災地を応援するための「笑顔のリレー」なんですね。
でもこの笑顔を作るのって、なかなか難しいものですね。サイトにアップされた私の写真は、まさに「真剣な笑顔」。ただ、草履を選んでいるお客様のそれとは、まったく別モノでしたねぇ。
コメント
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