角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

神仏と学業。

2009年08月27日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
紫基調の魚へんプリントをベースに、合わせは青紫の洋柄プリントです。
魚へんの漢字ばかりを羅列した面白いベース生地なんですが、色具合が落ち着いていて実にお洒落と思います。やはり中高年のおばさま向きでしょうか。

急きょお休みを二日増やして、明後日から実演を再開させることにしました。細かな用事がいくつも溜まっていたのと、オーダー草履の製作が主な理由です。
おかげさまで今年も在庫がほぼ尽きました。これからは日々のオーダーを編みながら、一足でも展示品を増やす努力が続きます。

夕方テレビをつけながら草履を編んでいると、全国学力テストの結果が報じられていました。秋田県は三年連続トップ級のようで、もうこれはまぐれじゃないですね。以前にも少し触れましたが、秋田県は高校になるといきなり順位が落ちます。これは課題としながらも、ひとまず小中学生の好成績は喜ぶべきじゃないでしょうか。

これも以前のブログで触れましたが、秋田県の小中学生が好成績な要因のひとつに、祖父母との同居や規則正しい生活が挙げられています。忙しい父母にかわって、祖父母がなにかと孫の面倒をみるんでしょう。人は心が落ち着いていれば、事に集中できる証しじゃないですかね。

ひとつ思い出したことがありました。今春他界したじっちゃとばっちゃの仏事に出席するため、首都圏から里帰りした親族のひとりが、『このあいだ神棚を買い換えたら、なんでそんなものが要るのってともだちに驚かれちゃった』。
これには私も少々驚きました。もちろん驚いたのは、神棚を「不要品」と言ったそのともだちに対してです。

秋田県のような田舎では、神仏に対する考えが昔のまま継続されているところが多いと思います。親族が亡くなって四十九日の法要が営まれるまでは、基本的に「遊ぶ」とか「慶事出席」が禁止されます。実際私も近所の婚礼出席を遠慮しました。

四十九日法要をもって「忌明け」となるわけですが、その翌日あるいは近日中に「お伊勢開きの儀」を執り行ないます。家族が亡くなった家ではすぐに神棚を封鎖するのですが、これは向こう四十九日間を仏様に集中することを意味します。そして忌明けを迎えた直後、また神様に復活してもらうべくこの神事を行うわけです。

毎朝食事の前に神棚へ向かい「二礼二拍手一礼」、そして仏壇へ向かい手を合わせる。これらを幼児期から日常としている地域が、いわゆる「田舎」に多いんじゃないでしょうか。
小中学生の学業実績もまた、無関係とは思えないんですよねぇ。

コメント
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