角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

最大の共通点。

2009年08月22日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
青基調の洋柄プリントをベースに、合わせは赤に黒のストライプです。
パッと明るい男性用は、比較的少ない配色のように思います。シック基調が多い男性用にあって、ときにこうした草履も楽しいですね。

今夜はマニアが待ちに待った、大曲の花火です。朝から花火目的のお客様が続々…と思いきや、案外それほどでもなかったですねぇ。寄り道をせず真っ直ぐ花火へと向かったのか、はたまたここにも不況の影か。数日後に発表される人出実績に興味がそそられます。

そんな中、千葉県にお住まいの常連さんがお越しくださいました。もう三年も前になりますか、桜まつりではじめてお逢いしました。このブログをお読みの男性で、その後三度ほど訪ねてくれています。
『花火ははじめてなんですよぉ』と男性。どうぞ感動の一夜をお過ごしくださいねっ。

午後の早い時間にお越しは、お父さんにお母さん、そして二十歳前後と思しき女性三人の五人旅です。しばし草履のご説明のあと、他にもお客様がいらしたせいか閉店時刻をお訊ねのうえ一旦戻られました。
夕方四時を少し過ぎた頃再度お越しになり、それから一時間以上のおしゃべりとなります。

茨城県古河市にお住まいのご家族は、お母さんのご実家が秋田県羽後町なんだそうです。羽後町で有名なのは西馬音内盆踊り、私も一度は観てみたいと思っています。
二十歳前後の三人の女性を、『みなさん姉妹なんですか?』とお訊ねすると、『はいっ』。「三人娘」と聞いただけで、草履職人はもう他人とは思えません。

しかもご家族五人がすべて草履を気に入ってくださいました。物静かなお父さんだけが自ら『欲しい』とは言いませんでしたが、お母さんに勧められるように手に取ったのが「今日の草履」でした。

三人の娘さんへ『学生さん? もう働いてるのかな?』とお訊ねすると、ひとりの娘さんが苦笑いしながら、『いやぁ、なんか中途半端な状態でぇ…』。
わが家の長女と次女も、イマイチ進路の確定を見ていません。こんな共通点も、なんか心を許すもんですねぇ。

お母さんへ、『また来年も来るんでしょ?』とお訊ねすると、『実家へ来るには来るんですけど、ここ(角館)まで足を延ばすかは…』と言ったところでひとりの娘さんが、『また来ようよっ』。
私はきっとまた来年お逢いするような気がします。

記念すべき1000回目のブログは、“通過点”らしく再会を予感させる話題でありました。

コメント
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