角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

「限定」の角館。

2009年04月21日 | 実演日記


今日の草履は、「盛岡のゆっこ」さんからのオーダー草履です。「桜プリント」がなにより優先で、お気に入りの「黄色」は必ず、そしてもう一色「オレンジ」も大好きのご希望がこちらになりました。約束通り明日の便で出発ですよ~!

天気予報通り朝から雨の一日になりました。桜は満開の一歩手前という段階ですから、この雨ですぐに散ることはないと思います。でもやっぱり散策に雨は不向きですね、お客様の口から『寒いわねぇ』の言葉がずいぶん聞かれました。

実演席の展示パネルには、満タン状態であれば40足程度の草履が並びます。その中に定番配色は一割程度で、あとの九割はほぼ一点もので占められます。
昨日のブログでご紹介した「壱万円草履」のお客様も、おそらく限定一品作に多少なりとも影響されたでしょう。「今日の草履」の盛岡のゆっこさんも、オリジナル一点ものを歓迎してくださいました。

今日お買い上げくださったお客様でも、複数の方が「限定配色」を知ることでお選びになっています。やはり人というのは、どこでも買えるあるいは大勢の人が持っているモノよりは、そういう希少性に魅力を感じるのでしょう。
昨日遅い昼食を車内で摂っていると、ラジオ番組の街角インタビューでこんなことを言ってました。『ユニクロはよく買い物をしますよ。でも上着にはあんまり使いたくないかな…』。

この「限定」という言葉を角館に当てはめたとき、たとえば今日の雨の中で桜を眺めたのも、「2009年4月21日限定」の風景なんですよね。そう考えれば、天気がどうとか開花状況がどうとか言うのは、旅の想い出にたいした重きはないようにも感じます。

閉店間際にお越しのおばさま三人旅。今晩角館に宿泊し、明日の夕方まで角館をじっくり散策するんだそうです。『明日の夕方まで作ってくださる?』とオーダーされた草履は定番配色①でした。三人が同じ配色でご注文され、まして定番①は最もオーダーの多い配色です。
でも、前日オーダーした草履を角館を満喫した後に持ち帰られる「限定」は、きっと大きな想い出になると思うんですね。

そしておばさまお三人は、「2009年4月22日限定」の角館を充分に愉しまれることでしょう。

コメント (2)
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