角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

竹馬の友。

2009年04月14日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調の桜花プリントをベースに、朱色の小花プリントを合わせた配色Ⅱパターンです。
十日ぶりの「今日の草履」は、数日後にも花開く桜にしました。5日未明を最後に今日までの九日間、雨が降らない上に連日高温が続いています。仙台あたりはすでに満開が過ぎたそうで、着々と北東北へ開花の便りが進んできました。

当地角館でも若くて日当たりが良い場所の桜は、すでに開花が始まっています。観光メインの武家屋敷通り枝垂桜や檜木内川堤のソメイヨシノも、蕾が膨らんでいるのが分るくらいになりました。
明日は一日雨のようですが、このあとの晴天を待って一気に開花するでしょう。桜まつりスタートの18日には桜が観られ、その後の天候と気温によって来週がピークと思います。人出のピークは25日~29日くらいでしょうか。

奈良県は吉野からお越しのおばさまふたり旅、言わずと知れた「桜の町」ですね。『吉野桜は今年も綺麗だったでしょ?』とお訊ねすると、『はははっ、今年は観てないんですよぉ』。いつでも観られるのが逆に災いするんでしょうかね。
『こっちはもう少しで咲くんですけどね』と言うと、『まぁ桜はなかったけど、イイ町ですねぇ。草履も綺麗やしぃ』。おふたりともお気に入りの配色をお選びくださいました。

『吉野からふたり旅ですかっ?』とお訊ねすると、『そう、こーんなちっこいからのおともだちで、75歳になっても仲良しなんですよっ』。
イイですね、「竹馬の友」というのは。子どもの頃はあまりそういう意識はないのですが、年齢を重ねるに連れて友の大切さを感じるように思います。これも人生経験と深く通ずるものがあるんでしょう。

祖父母の葬儀があった翌々日、新たな訃報が届きました。ちょうど一年前、長女と同じクラスで中学を卒業した男子生徒です。合格した高校の入学式を目前に、頭部へ腫瘍が見つかった彼は、一年の闘病生活を経て亡くなりました。享年16歳。

学校から戻った夕方長女へ伝えると、瞬間黙ったまま目頭を押さえました。曽祖父母の訃報から五日後、未だ高校二年になったばかりの娘には、かなりツラい現実だったと思います。彼の葬儀はわが家の初七日が済んだ後でしたから、娘の意向も聞いて葬儀へ出席させました。

「ともだち」というものは、年齢を重ねるにつれ大切さが分るものです。一番ツラかったのは男子生徒本人、そしてご両親をはじめとするご遺族でしょう。
心よりご冥福をお祈りいたします。

コメント
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