角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

入院病棟の人気者。

2009年04月29日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
白地に黒のまだらプリントをベースに、合わせは紺です。
犬のようにも牛のようにも見える、面白い草履ですね。このまだらプリントは何色か色違いで届けられてますから、今度は「まだら三昧」で編んでみましょうか。平生地はこちらになります。




角館に晴天と春の陽気が戻りました。一昨日で雨がやんで、昨日より今日のほうが気温も高いです。明日からまたさらに気温が上がり、明後日あたりは20℃ほどの予想がされています。なんかもう一度お花見がやってくるような感じですね。
桜のほうは今日もまだ頑張ってますよ。よもやゴールデンウィークまで桜がもつとは夢にも思いませんでした。

83歳のおばあちゃんとその娘さんがお越しです。いかにもお買換えの印象でしたし、確かに一度はお逢いしているのですが、すぐには思い出せませんでした。しばしのおしゃべりのあと、ハッと思い出しました。

もう二年も前でしょうか、秋田市にお住まいのこちらのおばあちゃんが布草履を探していたんですね、その理由は病後生活。
軽い脳梗塞を患ったおばあちゃんは、担当医師に『スリッパじゃなく鼻緒の履物を履くようにするとイイよ』と教わったそうです。半身が不自由なため脱げ易いスリッパは危険との判断でした。

それから思い当たるお店を探してみると、売っているのは布だけで編んだ布草履、これが柔らかすぎてどうにも安定しなかったそうです。
そこで娘さんがネット検索して、私のホームページに巡りあったというわけでした。

『あれがら検査入院のたびに草履を持って行ったもの。したら看護婦さんがみんなして草履どご褒めるものなぁ』とおばあちゃん。角館草履が入院病棟で人気者になってくれたようです。さらにおばあちゃんは、『角館の西宮家で売ってるよって、みんなサ宣伝したがらなっ』。

病院で人気者になったことも、おばあちゃんが自慢げに宣伝してくれたことも嬉しいです。でも私が一番嬉しいのは、おばあちゃんの病後生活で草履がしっかり役に立ってくれたことですね。このたびは娘さんもご自分用をお買い上げくださいました。
今度は母娘で末永くご利用くださいねっ。

コメント
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