角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

気持ちの良い言葉。

2007年07月03日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ24cm〔3000円〕
黒地にブルーの花柄をベースに、黄色を合わせた配色Ⅱパターンです。男性・女性どちらにもOKの夏バージョンと思います。

今日は嬉しい言葉をふたつ聞きました。ひとつめは、仙北郡美郷町と仙北市田沢湖からお越しの女性お二人さんです。とても草履を気に入ってくださり、今日のところはオーダーせずお帰りでしたが、近いうちにご家族分を揃えたいとのことです。草履の説明を真剣にお聞きくださり、ご自身の生活スタイルに草履を重ね合せながら、20~30分ほどでしょうか、とても賑やかな実演席となりました。

お帰りの際のお二人の言葉、『楽しい時間をありがとうございました!』。これほどはっきり「時間」にお礼をおっしゃったのは、おそらくこれまで何人もいないと思います。さらに嬉しかったのは、お二人が地元の方だからです。率直な気持ちを言葉にしない人が多い当地、なんとも響きの良い言葉でした。

お二人目は、青森市からお越しのおばさま一人旅。今日の最後の草履を編んでいた夕方、静かに近づいてきたおばさまが、『見学させていただいて良いですか?』。言葉の雰囲気や物腰から、人々に尊敬される何かを感じました。
草履のご説明などしばらくおしゃべりしていると、『今編んでらっしゃる草履はどなたかのご注文ですか?』と尋ねられました。そうではないことをお伝えすると、『私にいただけますでしょうか?』。

これまでも製作中の草履を気に入ってくださり、完成を待ってのお買い上げは特段珍しくはありません。ただこちらのおばさまほど、丁寧にそれを話された方は少なかったと思います。お話しするときは私の目をしっかり見て、しかも笑顔なんですね。
お帰りの際の言葉がまた嬉しかったです、『この草履と巡り会ったことに、なにか大きな縁を感じます』。

人と話すときの姿勢、言葉、そして素直な気持ち、今日はこちらの方々から学びました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする