角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

定年後のひとつの生活。

2006年08月17日 | 実演日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ22.0cm〔靴サイズ23cmまで可・・・3000円〕
ピンク基調の綿生地をベースに、緒は薄めの茶色です。茶が強くないせいか、ピンクのほうが引き立って可愛くなりました。先つぼの赤い布地も可愛さを引き出してるようです。
こういう配色は、案外中年の女性に好まれます。

相変わらず残暑厳しい毎日です。8月上旬に梅雨明けしてから、ほとんど雨らしい雨は降ってないような気がします。梅雨中の日照不足は解消されたでしょうが、こう毎日暑いと人間のほうが参ってしまいます。

青森県十和田市からお越しの団体さん、女性ばかり総勢30名ほどです。中の多くが布草履教室に参加したことがあるそうで、私の草履に興味津々でした。
あーでもない、こーでもないがあちこちから飛び交い、10人ほどのおばさまたちが一斉にカメラのシャッターをきります。大勢のお客様から一斉に写真を撮られるのは、ずいぶん久しぶりのような気がしました。もっとも、ファインダーの向きは作っている草履で、おそらく私の顔はほとんど写っていないと思います。

お帰りになってから気がついたんですが、これだけ大騒ぎしたお客様でお買い上げがひとりもいないというのも、ずいぶん久しぶりのような気がします。いえ、別に構わないんですヨ

昨日お越しの高校同期会の団体さん。それぞれ自由行動になったということで、一部のおばさまが今日もお越しくださいました。
『草履屋さ~ん、また来たヨ~』、なんとも明るいおばさまたちです。『ここへ来るとまたお金使っちゃうんだよね~』とおっしゃるので、『見るだけならお金要らないでしょ』と言うと、『それで済んだことあると思う~!?』。
確かにまた米蔵で買い物をしてました。昨日買いそびれたおひとりが草履もお買い上げくださり、この時代なんとも嬉しいお客様でした。

旅の本を執筆していた茨城県のYさんから、刊行したての一冊が届きました。タイトルは「くるま旅くらし心得帖」、新風舎刊です。
本の帯には、『定年後の時間は想像以上に長い。平均寿命を考えただけでも、リタイア後の時間は20年以上もある。この間、生きている証しをなにも実感できない日々を送ることに耐えられる人間など、いるはずがない』とあります。
定年後を車で旅する生活というのは、なんとも言えない魅力を感じます。それはそうした方々を知っているから、なおさらそう思うのかもしれません。
Yさんの奥様がこっそり私に言った言葉、『男のロマンに女のガマン』。でも、そう言う奥様が一番おしゃべり好きだったりするもんです。

「出会いのメモリーコラム」と題した1ページに、「角館人の発見」として私たち家族との出逢いも綴られています。これまでテレビやら雑誌では報道されましたが、こうして個人の刊行本に載るというのは、なんともこそばゆい感じがしています。でも、一番嬉しいかもしれません。
この本にご興味のある方は、私宛にメールをください。Yさんの連絡先をお教えします。

Yさん、ありがとうございました。そしてまたお会いする日を楽しみにしています!

コメント (2)
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