角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

「町の元気」に出来ること。

2006年08月07日 | 実演日記
今日の草履は、7月22日、大阪府摂津市からお越しくださったおばあちゃんのオーダー草履です。
『風呂敷が大好き!』とおっしゃるこちらのおばあちゃん、オーダー草履も『紺の風呂敷一色で作って~!』でした。
大変遅くなりましたが、本日の便で出発しています。

今日も暑い角館、フーフー言いながら結構たくさんのお客様がお越しになりました。昨日で竿灯祭りが幕を閉じ、今日からは平日です。お客様は少なめを予想してたんですが、夏祭りばかりでなくそれぞれに夏の東北をお楽しみのようです。

これまでいくつかのブログでもご紹介しましたが、サラリーマン生活15年のほとんどを営業畑で過ごしました。稼働日数のおよそ半分がホテル暮らしという、出張三昧の生活です。
角館にお越しになる全国のお客様の中には、かつて出張コースだった懐かしい土地からのお客様も少なくありません。そんなお客様との会話の中に、「都市の空洞化」があります。『○○デパートは廃業したのよ~』とか、『郊外に大きなお店がいっぱい建ったからね~』といった話題です。
今日お越しの北関東からのお客様。『○○市はぜんぜん元気がなくなったわ~』、かつて数件のお得意先があった馴染み深い地方都市です。

この「都市の元気」、わが角館はどうでしょう。年間250万人とも云われる観光地でありながら、その中心部に「元気」はあるんでしょうか。もはや「商店街」とは呼べない通りもあって、どうひいき目に見ても「活き活きしている」とは言えません。

7月31日のブログでご紹介した「若き人形師」。翌日、缶コーヒー片手に訪ねてくれました。彼なりに、希望と不安があるのがよく分かります。
今日の夕方、また彼と少し話をしました。『もっと話聞ぎでんシ』とのことで、近々一献交わしながらお互いの想いを話し合うことになりました。

「角館の元気」に私たち作り手が貢献できること。26歳の人形師と43歳の草履職人、想いの接点は必ずあるはずです。

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