緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

2011弦楽器フェアに行った

2011-11-05 23:45:17 | ギター
こんばんは。
今日は東京の北の丸公園にある科学技術館で、毎年11月初めに開催される
弦楽器フェアに行ってきました。







この催しは、日本の弦楽器製作家(ギター以外にバイオリン、チェロ、マンドリン
、リュートなど)が自作の楽器を展示し、一般愛好家に自由に試奏してもらい、
弦楽器に親しんでもらったり、製作家の楽器に関心を持ってもらうことを目的に
年1回毎年開催されています。
私は1990年頃から見に行くようになりましたので、20年にもなります。
昔は会場が東京信濃町の野口英世記念館でした。

このフェアではプロの演奏家が展示されているギターを使って、ミニコンサート
をするのですが、今日は宮下祥子さんという女流ギタリストが演奏しました。
宮下さんは私と同じ北海道出身の方で札幌を中心に活動されている方ですが、
ギター専門誌である「現代ギター」でも頻繁に名前が出てくる方で、数年前には
CDを出しました。

今日の彼女の演奏は、慣れないギターを使用したからなのか、新しいギター
で音が十分に出ないせいなのかわからないが、いまひとつ調子の出ない演奏
に聴こえました。
新しい弦を張ったばかりのギターで音がすぐに狂ってしまうので、調弦にはず
いんぶん時間をかけていましたね。ちょっと時間をかけすぎかな、と言う感じ
もしましたけど。
しかし最後に演奏したタンゴ・アン・スカイ(ディアンス作曲)はほぼ完璧
であるばかりでなく、とても演奏者自身も気分が乗っていて聴き応えのある
演奏でした。

この時に演奏された展示ギターの中では、大西達郎さんのギターが一番いい
音を響かせていた。トーレスの小型ギターをモデルに製作されたギターで
あるが、音量は他のギターと比べて遜色はなかったですね。
後でこのギターを展示会場で弾いてみましたが、いい音を出していた。
他に印象に残ったギターは、尾野薫さん、大西潤さんのギターでした。
尾野薫さんは1990年代半ばにこの弦楽器フェアに初めて出品していまし
たが、この時彼のギターを弾いた時非常に手ごたえを感じさせるものでした。
その後ロマニリョスの講習会などで研鑽を積んで実力をつけ、現在では製作家
として高い評価を得ているようだ。

大西潤さんは加納木魂氏に弟子入りした製作家とのことで、その音は確かに
透明度の高い音でした。
高音、低音共に音量、力強さもあり、今後注目されるのではないか。

今日は来場者がたくさんいて、全ての楽器を弾くことができませんでした。
今井勇一、黒澤澄雄、茶位幸秀、各氏の楽器を弾くことができなかった。

全体的な感想として、製作者はもっと試奏者に近づいて試奏者の意見を聞いて
欲しいということ。
常に試奏者の側で音を聴いていたのは大西潤氏だけ。時々試奏者の側で意見
を聞いていた製作者もいたが、多くの製作家は奥のコーナーで雑談するのみ
であった。
せっかく演奏者の生の意見が聞ける機会なのに、なぜ奥で雑談したり遠くで
見ているだけなんでしょう。もったいないですね。側で音を聴くだけでも
多くのことを得られると思うのに。
私も感じたことを製作家に伝えたかったですね。いいことも悪いことも。
たとえば①弦12Fの音は良くなるが、10Fや13F以降は鳴りにくいと
か、弦高が高くて弾きにくいとか、もう少し張りを強くした方が良いので
は等々。奥のコーナーに行って、製作家に弾いてみたらこうでしたよ、いう
のもおかしいし、やっぱり製作家が近くにいれば伝えやすいですね。

いずれにしても一般愛好家にとってこのような機会があることは恵まれて
いると思うし、勉強にもなります。
いつもこの展示会に毎年来ている知人に会うことができず、それが残念でし
たが、新しい期待のもてる製作家の作品を直に弾くことができたことで
満足のいく1日であった。

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