緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ロドリーゴのピアノ曲自作自演録音を聴いた

2011-11-12 23:50:10 | ピアノ
こんばんは。
11月も半ばになりましたが、暖かい日が続いていますね。
このところギターや合唱ばかり聴いていて、私の好きなもう一つのピアノ曲
とは疎遠になっていました。
そこで久しぶりにピアノ曲を聴いてみようという気持ちになりました。
ピアノ曲では私はガブリエル=フォーレやフェデリコ=モンポウの曲を聴く
ことが多く、彼らの音楽について以前のブログで紹介したことがありましたが、
今日はスペインの作曲家であるホアキン=ロドリーゴのピアノ曲を聴いて
みました。
ロドリーゴというと多くの方がご存知だと思いますが、有名なギター協奏曲
である「アランフェス協奏曲」を作曲した人です。
特に第2楽章冒頭の美しいメロディーは殆どの人が耳にしたことがあるのでは
ないでしょうか。

下の写真は、第2楽章の冒頭部とカデンツアの最後のラスゲアードの部分の
譜面です。





このアランフェス協奏曲があまりにも有名になりすぎたのか、ロドリーゴの
他の曲、それもギター曲以外は殆ど知られていないと思います。

かなり前ですが、秋葉原の石丸電気でロドリーゴのピアノ曲のCDでロドリ
ーゴ自身が演奏した録音を偶然見つけ、迷わず買いました。
あのロドリーゴがピアノでどんな演奏を聴かせてくれるのかとても興味が
湧きました。



1960年の録音でロドリーゴが60歳手前で演奏したものです。
どうせ作曲家の演奏なんだから、たどたどしい演奏に違いないと、あまり期待
していなかったのですが、聴いてみたらびっくり。ものすごいエネルギッシュ
な演奏でテクニックが完璧なんです。聴く前の予想との落差に驚きました。

ロドリーゴは3歳のときに病気で目を失明し、全く目が見えないにもかかわ
らず作曲家を志し、ギター曲、ピアノ曲、協奏曲を中心に多くの曲を作曲
してきました。
今回聴くピアノ曲の自作自演は演奏家としても超一流であることを感じさせられ
れる名演だと思った。

今回10年以上経過して改めて聴いてみて、印象に残ったのは次の3曲。

①Cuatoro danzas de Espana Ⅳ Fandango del Ventorrillo
 (4つのスペイン舞曲よりⅣ ヴェントリーリョのファンダンゴ)

②Pastoral (パストラル)

③Sonatas de Castilla con Toccata a modo de Pregon
 (カスティーリャのソナタ プレゴン風のトッカータによる)

訳が上手くできないのですが、ご容赦を。

②のパストラルはロドリーゴの作風とは思えない曲。簡素な曲ですが、
暖かく親しみやすい曲です。いい曲ですね。素朴で繊細な感じ。ロドリー
ゴの演奏も気持ちがこもっています。
この曲は演奏会などでもっと弾かれてもよいのでは。

このピアノ曲の自演録音を聴くとロドリーゴという作曲家は、非常に繊細
で叙情的であり、内省的で、感覚的なものを大切にしていることが感じ
られます。
それは目が見えないことにより感性が研ぎ澄まされているからではないか
と思う。
フォーレも晩年に耳が殆ど聞こえなくなり、その頃に作曲されたピアノ
曲、特に夜想曲は異常なほど内省的であり、深い精神性を感じ取ることが
出来ます。

今回このCDを聴いて、ロドリーゴに対する認識を新たにすると共に、彼の
ピアノ曲をもっと聴いてみたいと思うようになった。
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