マンドリンを始めて3週間経過した。
3週間といっても休日のギターの練習の合間に30分程度やるだけなので、延べ実質2時間程度か。
しかしマンドリンはギターと違ってそれなりの難しさがあることに気付く。
まず持ち方であるが、これが安定しない。胴が半球形で、さらに重量が軽いので膝の上ですぐに動いてしまうのだ。
ネックを持つ左手を離すとすぐに動いてしまう。だからポジション移動がしにくい。
ネックから手を離しても動かない構え方を模索しなければならない。
次に調弦であるが、当然ギターの調弦とは異なる。
マンドリンは1弦=E音、2弦=A音、3弦=D音、4弦=G音という調弦で、ヴァイオリンと同じ調弦であるが、復弦なので2弦とも同じ音程に合わせなければならない。つまりギターの弦よりも2本多く調弦しなければならない。
近年電子式チューナーが普及してから、ギターのコンクール出場者ですら本番にこの電子式チューナーで合わせる方もいるが、私はこの電子式チューナーは使う気になれない。
音を目で見て合わせる習慣がつくと、音の違いを耳で識別できる能力が衰退することは間違いない。
録音でもコンサートでも、弦が新しいと演奏中にチューニングが狂うことは免れなく、演奏中で上手く補正するか、そのまま演奏し続けることを余儀なくされることがある。セゴビアでさえ調弦がやや狂った状態で録音しているものもある。
しかし電子式チューナーで音合わせする習慣をつけてしまうと、この狂いが感覚的に分からなく、補正もできなくなってしまうのではないか。
多少不便でもチューナーを使わない調弦が出来る方が、長い目でみれば耳を鍛えることにつながると思う。
ちなみにギターの場合、私は次の手順で調弦している。
まず全弦、弦を緩めた状態から調弦する場合、以下のように大雑把に音を合わせる
(1)440ヘルツの音叉を膝で叩き、耳に当ててA音を聴きとり、⑤弦の開放弦を慣らしてペグを回しA音まで合わせる。
(2)⑤弦の開放弦と①弦の開放弦を鳴らし①弦をE音に合わせる(完全5度)。
(3)①弦の開放弦と⑥弦の開放弦を鳴らし、⑥弦をE音に合わせる(2オクターブ)。
(4)⑥弦の開放弦と②の開放弦を鳴らし、②弦をB音に合わせる(完全5度)。
(5)⑤弦の開放弦と④弦の開放弦を鳴らし、④弦をD音に合わせる(完全4度)。
(6)④弦の開放弦と③弦の開放弦を鳴らし、③弦をG音に合わせる(完全4度)。
しかしこの開放弦だけの調弦では、弦を長時間緩めていた状態ではすぐに音が狂い始めるので、次の方法で再度しっかりと調弦し直す。
(1)⑤弦5フレットのハーモニックス音を出し、440ヘルツの音叉を膝で叩き、耳に当てて、両方の音のうなりが消えるまでペグを回し、⑤弦をA音に合わせる。
(2)⑤弦の7フレットのハーモニックス音と①弦の開放弦を鳴らし、①弦をE音に合わせる。
(3)①弦の開放弦と⑥弦の5フレットのハーモニックス音を鳴らし、⑥弦をE音に合わせる。
(4)⑥弦の7フレットのハーモニックス音と②弦の開放弦を鳴らし、②弦をB音に合わせる。
(5)⑤弦の開放弦と④弦開放弦、もしくは④弦2フレットE音を鳴らし、④弦をD音に合わせる(完全4度又は完全5度)。
(6)④弦の開放弦と②弦の3フレットD音を鳴らし④弦をD音に合わせる。
(7)①弦の3フレットG音と③弦の開放弦を鳴らし、③弦をG音に合わせる。
(8)⑤弦の開放弦と3弦の2フレットA音を鳴らし、③弦をG音に合わせる。
(9)④弦の開放弦と3弦の2フレットA音を鳴らし、④弦をD音、又は③弦をG音に合わせる。
(10)最後にホ長調の和音を弾き、響きが濁っていないか確認し、濁っている場合は、狂っている弦を調弦し直す。
(5)~(9)まで3弦と4弦を合わせるのに1つの方法だけでなく、他の方法との複数の組み合わせで合わせていくが、ギターの場合、最初に説明した開放弦のみの合わせ方だと必ず、②、③、④弦のハーモニーに狂いが生じる。何故狂いが出るかは大変難しい問題なのでここでは説明しないが、いずれにしても①弦、②弦、⑤弦、⑥弦の音は先に固定したら後は動かさず、③弦と④弦はその音程の歪みをできるだけ平準化するよう微調整する必要がある。
以上がギターで私がやっている調弦であるが、マンドリンでチューナーを使わない調弦にどのような方法があるのかまだ分からず、ギターをそばに置いて、ギターの弦をはじいて調弦している。
これは言ってみればチューナーと同じような調弦法であるが、今は仕方ない。
昨日、マンドリンの調弦をしていた時である。マンドリンは金属弦で張力も強いので、弦を緩めておかないとネック反ってしまうだろうと思い、弾かない時は弦をかなり緩めているのであるが、弾く時に調弦するのは慣れないせいかかなり大変だ。
まず各弦の音をどこまで上げたらいいかまだ見当が付かない。
昨日、1弦をE音に合わせようと思いペグを回し続けたら、突然、「プチン」という音がして驚いた。
一瞬何が起きたか把握できなかったが、弦が切れていた。

E音を正規の音の更にオクターブ上の音に合わせようとしたらしい。
そして今度は3弦をD音に合わせようとペグを回したら、また突然「プチン」という音がして驚いた。
全く予期していないことであったので、びっくりしたが、これも1オクターブ上の音に合わせようとしていたらしい。
もしかすると金属弦は正しく調弦しようとしても切れやすいのかもしれない。
中学時代にフォークギターを弾いていた兄が、新しい弦に交換しようとペグを回している最中にプチンと切ってしまい、残念がっていたことがあった。
それに比べてクラシックギターの弦は低音弦でもまず切れることは無い。
しかし随分昔にこんなことがあった。
記憶が定かでないのだが、大学のマンドリン・クラブの夏合宿のことだった思う。全体合奏の練習中に、隣に座って演奏していたM君のギターから突然パツン!と音がしたのが聞こえるやいなや、切れた④弦が私の頬をピシャンと直撃したのである。
あまりの突然のことに心臓が止まるほどびっくりしたが、目に当たらなかったから良かった。ちょっとしたハプニングであった。
昨年暮れから聴き始めた大学のマンドリン・オーケストラの演奏会でも演奏途中でマンドリンの弦が切れて、予備楽器と交換して弾いていた場面を見たことがあった。
やはり金属弦は切れやすいのだ。
マンドリンの弦は、ヘッドの、弦を巻き付けて固定する金属の回転軸の部分で切れていた。
新品の弦の予備がなかったので、東京都内の某ショップまで行き、いちばん安い弦を1セット購入した。安いとは言ってもギターの弦よりもかなり高価だ。
今日その新品の弦を楽器に取り付けようとしたが、張り方が分からない。
インターネットで張り方を検索したが、意外に弦の張り方を説明した記事が少ない。やはりマンドリンはクラシックギターよりもマイナーな楽器であることを実感する。
検索した記事を読んだが今一つ分からなかった。
マンドリンの底部に弦の端を固定するピンが付いているが、このピンに弦の端の輪を引っ掛けて固定するようであるが、この輪をピンに引っ掛けてもすぐに外れてしまう。


反対側の端をヘッドの巻軸に固定してからこの輪をピンに固定するという順番なのだろうか。
あれこれ試行錯誤していたら、弦が少し曲がってしまった。曲がっても大丈夫なのか。
とにかく分からないことだらけで、今日弦を張るのは断念した。
マンドリンにもクラシックギターのペグと同じような構造のペグがあるようだ。この構造だとあまり苦労せずに張れるのかもしれない。

【20150614追記】
2週間前に買っておいたオプティマの新品弦に張り替えようと、インターネットで検索して見つけた記事を参考にしながら弦を張ってみた。
楽器の底部に固定する弦の端の輪は潰して輪を狭くすれば上手く固定できることが分かった。これで問題が1つクリアーできた。
そしてもう片方の先端をペグの金具の穴に通して巻き付け、ペグを回していくと予想もしていないことが起きた。
またプチンと切れてしまったのだ。高価な新品の弦だっただけに、これにはかなり落胆した。
そんなにたくさん巻き付けていないのに切れてしまった。やはりギターの弦の張り方とは全く違う。
ギターの弦の張り方の感覚を捨てて取り掛からなくては...。
それにしても何で切れたのか。
それ以来、いつプチン音たてて弦が切れるかと、ペグを回すのに恐怖を感じるようになってしまった。断線恐怖症というトラウマだ。

3週間といっても休日のギターの練習の合間に30分程度やるだけなので、延べ実質2時間程度か。
しかしマンドリンはギターと違ってそれなりの難しさがあることに気付く。
まず持ち方であるが、これが安定しない。胴が半球形で、さらに重量が軽いので膝の上ですぐに動いてしまうのだ。
ネックを持つ左手を離すとすぐに動いてしまう。だからポジション移動がしにくい。
ネックから手を離しても動かない構え方を模索しなければならない。
次に調弦であるが、当然ギターの調弦とは異なる。
マンドリンは1弦=E音、2弦=A音、3弦=D音、4弦=G音という調弦で、ヴァイオリンと同じ調弦であるが、復弦なので2弦とも同じ音程に合わせなければならない。つまりギターの弦よりも2本多く調弦しなければならない。
近年電子式チューナーが普及してから、ギターのコンクール出場者ですら本番にこの電子式チューナーで合わせる方もいるが、私はこの電子式チューナーは使う気になれない。
音を目で見て合わせる習慣がつくと、音の違いを耳で識別できる能力が衰退することは間違いない。
録音でもコンサートでも、弦が新しいと演奏中にチューニングが狂うことは免れなく、演奏中で上手く補正するか、そのまま演奏し続けることを余儀なくされることがある。セゴビアでさえ調弦がやや狂った状態で録音しているものもある。
しかし電子式チューナーで音合わせする習慣をつけてしまうと、この狂いが感覚的に分からなく、補正もできなくなってしまうのではないか。
多少不便でもチューナーを使わない調弦が出来る方が、長い目でみれば耳を鍛えることにつながると思う。
ちなみにギターの場合、私は次の手順で調弦している。
まず全弦、弦を緩めた状態から調弦する場合、以下のように大雑把に音を合わせる
(1)440ヘルツの音叉を膝で叩き、耳に当ててA音を聴きとり、⑤弦の開放弦を慣らしてペグを回しA音まで合わせる。
(2)⑤弦の開放弦と①弦の開放弦を鳴らし①弦をE音に合わせる(完全5度)。
(3)①弦の開放弦と⑥弦の開放弦を鳴らし、⑥弦をE音に合わせる(2オクターブ)。
(4)⑥弦の開放弦と②の開放弦を鳴らし、②弦をB音に合わせる(完全5度)。
(5)⑤弦の開放弦と④弦の開放弦を鳴らし、④弦をD音に合わせる(完全4度)。
(6)④弦の開放弦と③弦の開放弦を鳴らし、③弦をG音に合わせる(完全4度)。
しかしこの開放弦だけの調弦では、弦を長時間緩めていた状態ではすぐに音が狂い始めるので、次の方法で再度しっかりと調弦し直す。
(1)⑤弦5フレットのハーモニックス音を出し、440ヘルツの音叉を膝で叩き、耳に当てて、両方の音のうなりが消えるまでペグを回し、⑤弦をA音に合わせる。
(2)⑤弦の7フレットのハーモニックス音と①弦の開放弦を鳴らし、①弦をE音に合わせる。
(3)①弦の開放弦と⑥弦の5フレットのハーモニックス音を鳴らし、⑥弦をE音に合わせる。
(4)⑥弦の7フレットのハーモニックス音と②弦の開放弦を鳴らし、②弦をB音に合わせる。
(5)⑤弦の開放弦と④弦開放弦、もしくは④弦2フレットE音を鳴らし、④弦をD音に合わせる(完全4度又は完全5度)。
(6)④弦の開放弦と②弦の3フレットD音を鳴らし④弦をD音に合わせる。
(7)①弦の3フレットG音と③弦の開放弦を鳴らし、③弦をG音に合わせる。
(8)⑤弦の開放弦と3弦の2フレットA音を鳴らし、③弦をG音に合わせる。
(9)④弦の開放弦と3弦の2フレットA音を鳴らし、④弦をD音、又は③弦をG音に合わせる。
(10)最後にホ長調の和音を弾き、響きが濁っていないか確認し、濁っている場合は、狂っている弦を調弦し直す。
(5)~(9)まで3弦と4弦を合わせるのに1つの方法だけでなく、他の方法との複数の組み合わせで合わせていくが、ギターの場合、最初に説明した開放弦のみの合わせ方だと必ず、②、③、④弦のハーモニーに狂いが生じる。何故狂いが出るかは大変難しい問題なのでここでは説明しないが、いずれにしても①弦、②弦、⑤弦、⑥弦の音は先に固定したら後は動かさず、③弦と④弦はその音程の歪みをできるだけ平準化するよう微調整する必要がある。
以上がギターで私がやっている調弦であるが、マンドリンでチューナーを使わない調弦にどのような方法があるのかまだ分からず、ギターをそばに置いて、ギターの弦をはじいて調弦している。
これは言ってみればチューナーと同じような調弦法であるが、今は仕方ない。
昨日、マンドリンの調弦をしていた時である。マンドリンは金属弦で張力も強いので、弦を緩めておかないとネック反ってしまうだろうと思い、弾かない時は弦をかなり緩めているのであるが、弾く時に調弦するのは慣れないせいかかなり大変だ。
まず各弦の音をどこまで上げたらいいかまだ見当が付かない。
昨日、1弦をE音に合わせようと思いペグを回し続けたら、突然、「プチン」という音がして驚いた。
一瞬何が起きたか把握できなかったが、弦が切れていた。

E音を正規の音の更にオクターブ上の音に合わせようとしたらしい。
そして今度は3弦をD音に合わせようとペグを回したら、また突然「プチン」という音がして驚いた。
全く予期していないことであったので、びっくりしたが、これも1オクターブ上の音に合わせようとしていたらしい。
もしかすると金属弦は正しく調弦しようとしても切れやすいのかもしれない。
中学時代にフォークギターを弾いていた兄が、新しい弦に交換しようとペグを回している最中にプチンと切ってしまい、残念がっていたことがあった。
それに比べてクラシックギターの弦は低音弦でもまず切れることは無い。
しかし随分昔にこんなことがあった。
記憶が定かでないのだが、大学のマンドリン・クラブの夏合宿のことだった思う。全体合奏の練習中に、隣に座って演奏していたM君のギターから突然パツン!と音がしたのが聞こえるやいなや、切れた④弦が私の頬をピシャンと直撃したのである。
あまりの突然のことに心臓が止まるほどびっくりしたが、目に当たらなかったから良かった。ちょっとしたハプニングであった。
昨年暮れから聴き始めた大学のマンドリン・オーケストラの演奏会でも演奏途中でマンドリンの弦が切れて、予備楽器と交換して弾いていた場面を見たことがあった。
やはり金属弦は切れやすいのだ。
マンドリンの弦は、ヘッドの、弦を巻き付けて固定する金属の回転軸の部分で切れていた。
新品の弦の予備がなかったので、東京都内の某ショップまで行き、いちばん安い弦を1セット購入した。安いとは言ってもギターの弦よりもかなり高価だ。
今日その新品の弦を楽器に取り付けようとしたが、張り方が分からない。
インターネットで張り方を検索したが、意外に弦の張り方を説明した記事が少ない。やはりマンドリンはクラシックギターよりもマイナーな楽器であることを実感する。
検索した記事を読んだが今一つ分からなかった。
マンドリンの底部に弦の端を固定するピンが付いているが、このピンに弦の端の輪を引っ掛けて固定するようであるが、この輪をピンに引っ掛けてもすぐに外れてしまう。


反対側の端をヘッドの巻軸に固定してからこの輪をピンに固定するという順番なのだろうか。
あれこれ試行錯誤していたら、弦が少し曲がってしまった。曲がっても大丈夫なのか。
とにかく分からないことだらけで、今日弦を張るのは断念した。
マンドリンにもクラシックギターのペグと同じような構造のペグがあるようだ。この構造だとあまり苦労せずに張れるのかもしれない。

【20150614追記】
2週間前に買っておいたオプティマの新品弦に張り替えようと、インターネットで検索して見つけた記事を参考にしながら弦を張ってみた。
楽器の底部に固定する弦の端の輪は潰して輪を狭くすれば上手く固定できることが分かった。これで問題が1つクリアーできた。
そしてもう片方の先端をペグの金具の穴に通して巻き付け、ペグを回していくと予想もしていないことが起きた。
またプチンと切れてしまったのだ。高価な新品の弦だっただけに、これにはかなり落胆した。
そんなにたくさん巻き付けていないのに切れてしまった。やはりギターの弦の張り方とは全く違う。
ギターの弦の張り方の感覚を捨てて取り掛からなくては...。
それにしても何で切れたのか。
それ以来、いつプチン音たてて弦が切れるかと、ペグを回すのに恐怖を感じるようになってしまった。断線恐怖症というトラウマだ。

調弦についての記事、参考にしていただき嬉しく思います。
電子式チューナーは私は使ったことはないのですが、とても便利のように感じます。
しかし便利な反面、音を苦労して合わせられたときの嬉しさを感じることはできなくなってしまいます。
楽器も昨今は軽いタッチでも大きな音が出るものがもてはやされているようですが、いい音を出すの苦労を強いられる楽器の方が楽しみを感じる度合いが大きいように思います。