緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

三枝成彰:作曲、平峯千晶:作詞「あしたはどこから」を聴く(5)

2021-07-23 23:53:22 | 合唱
コロナでしばらく合唱演奏を聴く機会が減っていたが、またじわじわと合唱熱が再燃してきた。
この静かな夜に聴くにふさわしい曲、そして演奏と言えばこれになるだろう。

三枝成彰:作曲、平峯千晶:作詞の「あしたはどこから」
演奏:神奈川県立多摩高等学校(2003年(平成15年)第70回Nコン全国大会)

それにしても素晴らしい演奏だ。
これほど無心、無我の境地に至った演奏は極めてまれであろう。
演奏者たちは恐らく全く意識していないだろうが、人間心理の二極性を見事に表現している。
「光と闇」、「栄光と挫折」、「希望と絶望」、「善と悪」、「幸福と不幸」。
人間はこのコインの表裏のような関係性のある二極性を体験し、その価値を知るよう運命づけられているように思う。
「闇」を嫌というほど体験した人間は、どん底の中でもがきながらもその苦しみを受け入れ、背負って生きていく覚悟をする。
そしていつか闇を抜け出たとき人は、「光」のみならず「闇」の持つ価値の大切さ、尊さに心の底から感動するのではないだろうか。

長調に転調してから、多摩高等学校の歌声から聴こえてくる想いの強さ、表情の変化が素晴らしい。
ここを聴くと、心の深いところからものすごく強い感情が溢れ出てくる。

『私が未来をうたうときには
風だって私に引きずられて吹くだろう
春の声がともに問うだろう
そして照らすだろう
私と世界の付け根から
だんだん強く、だんだん確かに、
ああ、朝のひかり。』

あしたはどこから 混声合唱(神奈川県立多摩高校)
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