今日(12月26日)、栃木県宇都宮市の総合文化センターで、宇都宮大学マンドリンクラブ第45回定期演奏会が開催されるので、聴きに行った。
宇都宮大学マンドリンクラブの存在を知ったのは今から1年半ほど前になる。
2014年8月10日付けの記事「西村 洋 ギターの芸術を聴く」でギタリストの西村洋氏の演奏を紹介したのだが、これをきっかけに西村氏が母校の宇都宮大学のマンドリンクラブで、常任指揮者を務めていることを知ったのである。
この記事の結びで、いつか宇都宮大学のマンドリンクラブの定期演奏会を聴きにいきたい、と書いていたが、今日、それが実現したわけだ。
宇都宮大学マンドリンクラブのホームページを見ると、宇都宮大学マンドリンクラブは西村氏が大学時代に設立したと書いている。最初はギター・パートだったが、後で指揮者となったようだ。
西村氏は宇都宮大学の音楽科を専攻している。
西村氏の演奏を初めて聴いたのが、今から27年ほど前。
伊福部昭の3つのギター曲を聴きたくて、西村氏の録音があることを知ったが、LPは既に廃盤になったと言われた。
しかし諦めずにやっと思いでLPレコードを探し当てた。
「箜篌歌(くごか)」と「ギターのためのトッカータ」は素晴らしい演奏だった。
そして次に中古LPで買ったソルの曲集も素晴らしかった。
とくに「わたしが羊歯だったら」による変奏曲」は大きな感動を与えてくれた。
私は西村氏の音の作り方、音楽性を理想としている。
特に音の作り方は長い間の研鑽と研究から生み出されたものだと感じさせられる。
昨今の貧弱なアルアイレ中心の音とは次元が違うのだ。
今日は天候に恵まれ暖かかったが、宇都宮駅周辺は意外に寂しく、活気は感じられなかった。
18時開演。
クラブ員の数は総勢25名程度か。少ない。マンドリン・アンサンブルの規模である。
プログラムは第一部がポピュラー音楽やクラシック小曲の編曲物、第二部が3年製のみの演奏で、ポピュラー音楽の編曲物、そして第3部は、丸本大悟作曲、組曲「杜の鼓動」より1楽章「欅の風景」、藤掛廣幸作曲「星空のコンチェルト」という構成であった。西村氏は第3部のみの指揮となる。
星空のコンチェルトの生演奏は今年で3回目になる。
さて演奏の感想であるが、最後の「星空のコンチェルト」以外の曲は練習の成果が表れたほどよく楽しめる演奏だったと思う。
「星空のコンチェルト」は正直に感じたことを言うと練習不足。致命的な音間違いはやはり最小限に抑えなくてはならない。
それと演奏している学生たちの表情が気になった。
音楽を演奏しているときの高揚感、情熱、喜び、若さ湧れるエネルギーといったものが、すくなくとも今日の私には感じられなかったのである。
私は今日寝不足だったので、そのように感じたのかもしれない。
しかし殆ど弾けていない1年生がいたのはどうかと思う。
大学のクラブは厳しいものから余興のようなものまで様々であるが、アマチュアである以上、その成果の発表については、極力厳しい評価はしないつもりだ。
しかし聴き手はやはり、厳しい練習を乗り越えて生みだした、最大限の成果を披露してくれる演奏に真に感動するものだ。
そのプロセスの中には、部員がまとまらなかったとか、人間関係の軋轢に苦しんだとか、難所に対する技術的な挫折など、人知れず苦労した事実が表に出ていなくても裏に見えているものである。
そうは言っても大学のサークルは、それぞれ現状の身の丈に合うレベルの中で制約や限界を感じながらも精一杯活動していることを認めなければならない。
今回の演奏会を聴いて色々なことを考えさせられた。
結果的に自分が主観的に望むレベルの演奏内容ではなかったとしても、彼らは、会場に聴きに来てくれる人に対し、プログラムの準備等のおもてなしをし、精一杯の努力の成果を聴かせてくれたことは事実なのである。
今日、聴き手のために努力を積み重ね、演奏を披露してくれた宇都宮大学のマンドリンクラブの方々に感謝したい。
宇都宮大学マンドリンクラブの存在を知ったのは今から1年半ほど前になる。
2014年8月10日付けの記事「西村 洋 ギターの芸術を聴く」でギタリストの西村洋氏の演奏を紹介したのだが、これをきっかけに西村氏が母校の宇都宮大学のマンドリンクラブで、常任指揮者を務めていることを知ったのである。
この記事の結びで、いつか宇都宮大学のマンドリンクラブの定期演奏会を聴きにいきたい、と書いていたが、今日、それが実現したわけだ。
宇都宮大学マンドリンクラブのホームページを見ると、宇都宮大学マンドリンクラブは西村氏が大学時代に設立したと書いている。最初はギター・パートだったが、後で指揮者となったようだ。
西村氏は宇都宮大学の音楽科を専攻している。
西村氏の演奏を初めて聴いたのが、今から27年ほど前。
伊福部昭の3つのギター曲を聴きたくて、西村氏の録音があることを知ったが、LPは既に廃盤になったと言われた。
しかし諦めずにやっと思いでLPレコードを探し当てた。
「箜篌歌(くごか)」と「ギターのためのトッカータ」は素晴らしい演奏だった。
そして次に中古LPで買ったソルの曲集も素晴らしかった。
とくに「わたしが羊歯だったら」による変奏曲」は大きな感動を与えてくれた。
私は西村氏の音の作り方、音楽性を理想としている。
特に音の作り方は長い間の研鑽と研究から生み出されたものだと感じさせられる。
昨今の貧弱なアルアイレ中心の音とは次元が違うのだ。
今日は天候に恵まれ暖かかったが、宇都宮駅周辺は意外に寂しく、活気は感じられなかった。
18時開演。
クラブ員の数は総勢25名程度か。少ない。マンドリン・アンサンブルの規模である。
プログラムは第一部がポピュラー音楽やクラシック小曲の編曲物、第二部が3年製のみの演奏で、ポピュラー音楽の編曲物、そして第3部は、丸本大悟作曲、組曲「杜の鼓動」より1楽章「欅の風景」、藤掛廣幸作曲「星空のコンチェルト」という構成であった。西村氏は第3部のみの指揮となる。
星空のコンチェルトの生演奏は今年で3回目になる。
さて演奏の感想であるが、最後の「星空のコンチェルト」以外の曲は練習の成果が表れたほどよく楽しめる演奏だったと思う。
「星空のコンチェルト」は正直に感じたことを言うと練習不足。致命的な音間違いはやはり最小限に抑えなくてはならない。
それと演奏している学生たちの表情が気になった。
音楽を演奏しているときの高揚感、情熱、喜び、若さ湧れるエネルギーといったものが、すくなくとも今日の私には感じられなかったのである。
私は今日寝不足だったので、そのように感じたのかもしれない。
しかし殆ど弾けていない1年生がいたのはどうかと思う。
大学のクラブは厳しいものから余興のようなものまで様々であるが、アマチュアである以上、その成果の発表については、極力厳しい評価はしないつもりだ。
しかし聴き手はやはり、厳しい練習を乗り越えて生みだした、最大限の成果を披露してくれる演奏に真に感動するものだ。
そのプロセスの中には、部員がまとまらなかったとか、人間関係の軋轢に苦しんだとか、難所に対する技術的な挫折など、人知れず苦労した事実が表に出ていなくても裏に見えているものである。
そうは言っても大学のサークルは、それぞれ現状の身の丈に合うレベルの中で制約や限界を感じながらも精一杯活動していることを認めなければならない。
今回の演奏会を聴いて色々なことを考えさせられた。
結果的に自分が主観的に望むレベルの演奏内容ではなかったとしても、彼らは、会場に聴きに来てくれる人に対し、プログラムの準備等のおもてなしをし、精一杯の努力の成果を聴かせてくれたことは事実なのである。
今日、聴き手のために努力を積み重ね、演奏を披露してくれた宇都宮大学のマンドリンクラブの方々に感謝したい。
今回の記事、お読み下さりありがとうございます。
伊福部昭のギター曲で初めて買った楽譜が、この「ギターのためのトッカータ」でした。
大学2年生の時でした。
丁度マンドリン・オーケストラで鈴木静一の曲をやっていた頃で、その影響を受けました。
練習の合間の休憩時間に、この曲の一部のフレーズを繰り返し弾いていたら(当時ここしか弾けませんでしたが)、先輩が「おお、伊福部昭の曲か!」と珍しがっていたのが思い出されます。
https://www.youtube.com/watch?v=8jlFxulBejA