緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

林道の権威 安細錬太郎著「林道コース大全」を読む

2018-06-10 23:46:51 | 林道
今日は2週間前に初めて参加した社会人マンドリン合奏団体の練習に参加。
前回の練習で殆ど弾けなかったイタリアの難曲も今日は5割くらいは弾けるようになった。
演奏会まであと1か月であるがぎりぎり間に合うか。
今日はこの団体が発足した70年代の頃から続けている方と話す機会があり、マンドリン合奏の団体のメンバーが意外にも色々なところでつながりがあるなど興味深い話を聞けた。
またパートメンバーの方から、こちらから聞かなくても譜面の変更点について指摘してくれたり教えてくれたり、助けていただいた。とてもありがたい。
今日は、演奏していて楽しい気持ちだった。いつもこうならなおさらいいのだが。
1週間後は母校マンドリンクラブ50周年記念演奏会の合同練習に参加するために札幌に行く。
今はマンドリン合奏漬けの日々となってしまっている。

しかしこのマンドリン合奏漬けの日々も7月の演奏会が終ってしまうと、一段落で練習も無くなるようだ。
ちょっと寂しいが、反面、今までできなかったことを再開できる期待もある。
ここ数か月間のマンドリン練習漬けの日々の間、ときどき頭に浮かんできたのは、また林道を走りたいという気持ちだった。

20年くらい前に小型の四輪駆動車を中古で買った。
550ccの軽である。インタークーラー無しのターボ付き。
以来、同じメーカー、同じ車種の小型四輪駆動車を中古で買い替え、今は3台目。
660cc、現走行距離16万キロ。まだまだ元気。笛吹音有り。
目標走行距離20万キロ。

20年前は、毎週のようにこの小型四輪駆動車で林道に行った。
初めて行った林道は中津川林道。
この林道を皮切りに4年間で結構な数の林道を訪れた。

中津川林道(H11.5.8)
田代山林道(H12.6.17)
真名畑八溝林道(H11.9.25)
林道小中新地線(H11.5.23)
林道北榛名山線
林道妙義荒船線(H12.6.13)
林道中之岳線(H12.6.13)
林道千駄木基幹作業路線二号線(H12.6.13)
御荷鉾スーパー林道(H11.11.21)
川上牧丘林道(H12.6.3)
水ヶ森林道(H11.5.8)
林道木賊平線(H13.7.21)
大野山林道(H13.7.21)
樫山林道(H13.7.21)
小森川林道(H13.7.21)
広域基幹林茂来線(H12.5.21)
西荒川林道(H11.5.30)
西前高原林道(H11.5.30)
横根林道(H11.7.18)
近沢林道(H11.5.159
秋鹿・大影林道(H14.10.13)
万沢林道(H14.10.13)
前日光林道(H11.5.16)
赤城山林道(H11.5.23)
黒川林道(H12.5.21)
中の沢林道(H12.5.21)
七久保橋倉林道(H11.11.21)
名無林道(H11.11.21)
四日市場上野原線(H11.12.24)

これらの林道は地図に記録を残しておいたものだが、これ以外にも走った林道がある。
また北海道でも3か所走ったが地図がどっかいってしまった。

これらの林道で最も記憶に残っているのが、妙義荒船林道。
林道に入ってしばらくすると、暗く狭いトンネルに入る。
夜に肝試しが出来そうな所だ。
そして支線の林道千駄木基幹作業路線二号線に入ると、奥に進むにつれ暗く狭く荒れた道になり、登れるかと思うほどの急こう配の坂がある。
ギアを1速にしないと登り切れない。
またこの 妙義荒船林道は奥の方が土砂崩れで道が塞がっていたと記憶している。
普通はここで引き返すのであろうが、20年前の自分はここで、四駆のギアをローに入れてがれきの山をゆっくりと慎重に乗り越えたことがあった。
たしかこの林道だったと思うが、20年前なので違うかもしれない。
あとはこれもどの林道だったか忘れたが、通行止めの柵が脇に寄せられていたので、好奇心からその道に入っていったら、とんでもない悪路だった。
車体が横に倒れるかと思うほどの傾いた狭い道を下っていったら、オフロードバイクが物凄いスピードで対向してきたが、まさか自動車に対面するとは思っていなかったらしく、急坂を途中で登り切れず倒れてしまった。ちょっとかわいそうだったが、この後ふもとまで引き返して再チャレンジしたのであろうか。
あとは真名畑八溝林道が面白かった。
また北海道の林道、これも地図が無いので名前を確認できないのだが、頂上付近で片側が崖で切れ落ちている所があり、そこを通りすぎるときに、怖い思いをしたことがあった。
登山でいうと鎖場を歩くときの心境だ。

今日紹介する安細錬太郎著「林道コース大全」は20年前に林道にさかんに行っていた頃に買ったものだ。
もう1冊別の安細錬太郎氏の著作を買ったが引越しの際にどこかへしまいこんでしまったので、今手元に無い。
安細錬太郎氏は1933年生まれ。
自動車専門新聞の記者を務めたあと、フリーになり、林道の権威として知られていたようだ。
この「林道コース大全」は日本全国各地の林道を、著者が実際に訪れ、走った体験をレポートしたものだ。
250ページほどの著作で、膨大な数の林道が写真入りで紹介されている。
安細錬太郎詩はこの本のまえがきで、何故林道を走るのかについて、「未知の風景を見たいから」と言っている。
林道は日常の風景とはまるで違う。
まず人が入り込むことは無い。
メジャーな林道は少ないながらも人や車と出会うことがあるが、マイナーな林道は一人の人間も、一台の車も出会わないことがある。
日常から遊離し、周りから隔絶した空間がそこにある。
とりたてて美しい風景があるわけでない。
荒れた砂利道、薄暗い林、崩れかかった山肌。
しかしそこは自然が生み出したままの風景が広がる。
人が手を入れていないのだ。
人工物は一切無い。
粗末に切り開かれた道が続いているのみ。
こういう道をゆっくりと窓を開けて走るのが好きなのだ。
夏でもエアコンは入れない。
ここを走るとありのままの自然に触れられる。気持ちがいい。

安細錬太郎氏の車は四輪駆動車でない。
小型の普通乗用車だ。そこが驚きだ。何故四輪駆動車にしない?
林道に重装備した車は不必要だからだ。
ここが凄いところ。林道の権威と言われるのもうなずける。
つまり林道を走るのは車が主役でないからだ。
林道を走りたいという人間が主役。車ではない。
狭い林道をパジェロだの、ハイラックス・サーフだの、ランクルだので、走っている人がいるが、
これは場違いだ。
こんな車は砂漠へ行ってくれと言いたくなる。
こんな車で狭い林道を走る人は、車を見せたがっている人。
林道を楽しむ人はこんな車は乗らない。
また小型の四輪駆動車でも、ウィンチ付けたり、重装備で廃道を荒らしながら走る人がいるが、こういう走りかたも好きではない。
廃道は自然の宿命。荒らすべきではない。そっとしといてあげるべきだ。
廃道に行きたければ、車を降りて、歩いて楽しめばいい。

私の林道の走りかたは安細氏と同じだ。
山を登るのとおんなじだ。
非日常の景観、未知のルートに入っていくときの高揚感。
静かにゆっくりと楽しむのがいい。

マンドリン合奏練習が一段落したら、さっそく林道に行くつもりだ。
安細氏の紹介する林道をこれからどれだけ訪れることができるか。














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