緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

心に残るNコン(NHK合唱コンクール)の名演 ①

2011-12-03 22:17:58 | 合唱
こんばんは。
急に寒くなってきました。もう本格的に冬の到来です。
さて、以前のブログにNコン(NHK合唱コンクール)の過去の演奏で、隠れた
名演を紹介したいと述べたことがあります。
私がNコンや全日本合唱コンクールで主に高校生の合唱を聴くようになってから
1年になります。
あるきっかけで合唱曲を聴くようになったのですが、ギターと同じくらいのめり
こんでしまいました。
この1年数多くの演奏を聴きかせてもらいましたが、素晴らしい演奏に出会うこと
ができました。これらの演奏を聴いて多くの元気をもらった。本当に感謝してい
ます。
ところでNコンなどの合唱コンクールは、コンクールの性格上審査があり、順位
(賞)が付けられるのですが、私はあまりこの審査をあてにしていません。
だから後で何度も演奏を聴いてみると、上位の賞を取っていなくても素晴らしい
演奏があることに気付くのです。

今回ここで心に残る名演と呼ぶに値する演奏を紹介したいと思ったのは、上位
の賞を取っていないがために、人にあまり聴かれることなく埋もれてしまうこと
がないようにしたいためです。
上位の賞を取った学校だけが素晴らしい演奏だとは思っていません。
上位の賞を取ってなくても、上位の学校以上に素晴らしい演奏もあるし、一生懸
命練習して素晴らしい演奏を残してくれたことに対し、報われるようにしてあげた
い。
但しここで紹介するのは、上位の賞であってもなくても賞に関係なく、何度も何度
も聴いて真に感動を与えてくれると確信した演奏だけです。Nコンの課題曲は全て
の高校の曲を何度も聴いて選出したもので、自信を持って紹介したいと選んだもの
だけです。
だから選んだ演奏は少ないです。
何度も繰り返し聴きたくなる演奏、何度聴いても深い感動の得られる演奏だけ
です。

NコンのCDはH22、21、20、19、18、17、13年度のみ所有
しており、まずはこの中から選んだ演奏を紹介していきたい。
H23年度はNコンのホームページ、他の年度は東京文化会館の音楽資料室で聴い
て選んだものを紹介したい。
新しい年度の順から紹介したいが、多少の前後はあるかもしれません。

さて前置きが長くなりましたが、第1回目はH23年度のNコンの課題曲「僕
が守る」(銀色夏生作詞 上田真樹作曲)です。
その演奏は東京都代表の大妻中野高校です。





この高校の演奏に初めて出合ったのはH17年度大会の演奏を聴いてからですが、
今年の9月始めに行われた関東甲信越地区ブロック大会で金賞を取り、全国大会
の出場を決めた演奏を聴いてすごい演奏だと思いました。
この日から今日までこの大妻中野高校の演奏をほぼ毎日聴いています。

全国大会の演奏はより洗練されたものであるが、全国大会の演奏も地区ブロック
大会の演奏も両方とも好きです。





では、この高校の演奏の素晴らしいところは何か。
それは他のどの演奏よりも、聴き手の潜在的な心に強く響いてくる力を持っている
ことだ。
この高校の演奏者たちの歌う姿を見て頂きたい。
演奏者たちはだた無心に純粋に、曲や詩を通して感じたものを自らの心に同化し、
統合して、気持ちを1つにして聴き手に伝えることに全力を出している。
真に素晴らしい演奏である。
心を無にしてこの演奏を聴いて欲しい。
この演奏を聴くと、心の内面から強い感情が湧き出てきます。
なぜ感情が強く湧き出てくるのか。それは演奏者たちが内面の深いところから
歌っているからに他なりません。
その感情とはどのようなものか。
それは年を重ねるごとに、また競争社会の中で生き抜くうちに失ってしまったもので
ある。いや、失ったのではなく、心の奥底に埋もれてしまったものである。
それは子供の時や思春期の頃に体験した感情である。人間誰しも持っている
根源的な感情といっても良いのかもしれない。人間にとって大切なものである。

この演奏を聴いてこれらの感情に触れることができた。
この演奏がこれらの感情を引き出してくれた。
私がこの学校の演奏が好きなのは、演奏を聴くことでこのような体験ができるから
なのです。だから多くの人にこの演奏を聴いて欲しい。
表面的な捉え方では決してこの演奏の良さはわからないと思います。
この演奏に細かい解釈などは不要である。この演奏から実に多くのものを学ぶ
ことができます。

この高校の演奏に出会えて本当に良かったと思っています。
この演奏がこれからも多くの人に聴き続けていかれることを願っています。


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