世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

名曲喫茶 ヴィオロン

2021年10月17日 23時17分46秒 | Weblog
11時に起床。あいにくの雨。土日の雨って萎える。
カップラーメンを食べて一服。

「そうだ、あそこに行ってみよう」
ふと思い立ってバスに乗る。

高円寺駅に上陸。
商店街をブラブラ。


高架下を歩く。風情があって面白い。


ゴミにジャックされた車。壮観。


高円寺から阿佐ヶ谷まで1駅分をトコトコ歩き、目的地・・・名曲喫茶ヴィオロンに到着。





ここは嶽本野ばら先生の小説「カフェー小品集」の「 二〇年代のレコードをマグネチックスピーカーで再生する理由—ヴィオロン」の舞台なのだ。


お店の中に入ると、先ず正面の奥に威風堂々と構える大型のスピーカーが眼に飛び込んできます。四つのラッパが上に取り付けられたスピーカーの前には幾つかのテーブル席があり、その席達を取り囲むようにして一段高く作られた場所にもテーブル席は点在します。
このお店自体をホールと考えるなら、スピーカーの正面の席はS席、それを囲む席はA席と言った具合です。


作品に書いてある通り。
その雰囲気に圧倒される。




自家製ケーキとコーヒーを注文した。
コーヒーにはブランデーを垂らしてもらう。





「 二〇年代のレコードをマグネチックスピーカーで再生する理由—ヴィオロン」は「運命」と「必然」に就いて書かれている。
レコードとスピーカーの比喩を用いて理路整然と論旨展開されていて、とても面白い。
上質のスピーカーが奏でる名曲を聴きながら今日改めて本作を読み返したら、その主題がというか問い掛けが一層深く胸に突き刺さった。

17時の閉店前、「カノン」が流れた。

大好きなこの曲。
素晴らしすぎて、ちょっと泣きそうになった。

動画、発見。
阿佐ヶ谷名曲喫茶 ヴィオロン(カノン/パッヘルベル)


この曲は妹の結婚式の入場する際のBGMだった。
かれこれ6年前。
切ないような嬉しいような、あのなんとも言えない数分間を思い出す。


嗚呼、良い名曲喫茶だった。
やはり野ばら先生ワールドは居心地が良い。
21年前、雑誌「美的」で野ばら先生のコラムを読んで野ばら先生を知った私。
あれは「運命」だったのだろうが、「必然」でもあった。
野ばら先生の描く世界観を大事にすることは、もはや私の人生には欠かすことのできないパーツなのですもの。


なんだか胸がいっぱいになり、阿佐ヶ谷駅までふらふら歩く。

高円寺、阿佐ヶ谷は、ふと入ってみたくなるお店が多く、誘惑を振り切るのが辛かったのだが、今日まで値引きされている「ほっともっと」の「かつ」を食べるミッションが私にはあるので、帰宅。
今夜はカツカレー(490円)にした。

ボリューミーで美味。

季節が急に進んで、夕方は少し寒かった。
明日はもっと寒くなるらしい。
…楽しみだ。←暑がり。