さいたま市宇宙劇場へ。
国立天文台の渡部潤一先生の講演会「幻の流星群を追って」を聴きに行った。
一ヶ月ぶりの宇宙劇場。
KAGAYAさんの絵、いつ見てもきれいでうっとり。
1956年に第1次南極観測隊が見つけ、幻の流星群と呼ばれる「ほうおう座流星群」。
この流星群は56年12月、南極に向けインド洋を航行していた観測船「宗谷」で、甲板にいた中村純二さんが発見した。この流星群の母親と推定されたのが、1819年に一度だけ姿を見せたブランペイン彗星。しかし、翌年以降、現れたという報告例はなく、幻の流星群となってしまった。
大出現から半世紀。2003WY25という小惑星の軌道がブランペイン彗星と同定された。最新の理論を駆使して計算したところ、1956年は理想的な流星雨の出現条件であり、宗谷の観測記録の極大時刻とぴったりと合致することが判明。
さらに理論を用いて計算してみると、2014年はかなり条件が良いことが予想された。
2014年12月。
渡部先生はチームを組み、スペイン領カナリア諸島へ観測に出発。
羽田~パリ~スペイン~カナリア諸島の長旅である。その珍道中のもようも色々と説明してくださった。
91歳の中村純二さんも共に現地に出向いたのだが、中村さんは出発日を1日勘違いしていた・・・等。
また、渡部先生が天文学者を目指したきっかけがジャコビニ流星群だったことも講演会で聞くことができた。
1972年の大流星雨が予想された際には日本でも大きなブームとなり、その予想が外れたことは新聞やテレビといったマスコミに取り上げられ、予想を公開していた国立天文台にも批判がなされた。
当時小学生だった渡部先生は学校の先生に流星群を観察したいので校庭を使わせて欲しいとお願いをし、理科少年6人で観測をしたが一つも見られなかった。
この「予想が外れた」ジャコビニ流星群をきっかけにし、渡部先生は天文学に興味をもち、大学で天文学を専攻したそうだ。
最後に「夜空を見ましょう」と渡部先生。
その際、ちゃっかり自分の著書も案内するお茶目っぷりに吹いた。
私自身、流星群というものは、大学時代にしし座流星群を見たのが最初で最後だったような気がする。
魔法瓶に入れたコーヒーをすすり、寒さに震えながらベランダで見た一瞬の閃光は、今もたまに思い出す。
今日は貴重なお話を聴けて大満足。
有給休暇を取得した甲斐があった。
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