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世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

鳥のぬくもり

2008年02月09日 | Weblog
実家から羽毛布団が届いた。
誕生日祝いとのこと。

ありがとう、両親。
羽毛布団は、殺風景な私の部屋には不釣り合いなほどの豪華さを放っている。

それにくるまりながら、羽毛のあたたかさをしみじみと知る。
以前、実家で飼っていた文鳥のピーちゃんを思い出す。

元々文鳥を欲しがっていたのは妹と弟だった。
私は動物には興味がなかった。
中学2年のゴールデンウィークに、ピーちゃんは妹と弟の要望により、我が家にやってきた。
そして、なぜか私が餌や掃除をする係になっていた。
世話をするほど、私の中で、ピーちゃんへの愛は深まっていった。
ピーちゃんを指に乗せ、華原朋美の「I'm proud」のプロモーションビデオを何度も観ていた私。
ピーちゃんは、華原朋美の高音に過度に反応していた。

ピーちゃんは私にとって、いつしか無二の友達になっていた。

寒い朝のピーちゃんは、よく身を膨らませて篭の中の枝に座っていた。
時々目を細めたり、時には背中に顔を埋めたり。
白くてふわふわの羽毛は、淡雪のようで美しかった。
夏目漱石が「文鳥」で、その美しさを緻密に書いている。あの表現はかなりリアルだと思う。

ピーちゃんがこの世を去ったのは1999年11月27日。
私が大学4年生の時だった。

朝、父が「ピーちゃんの様子がおかしい」と私を起こしに来た。

私の掌でだんだん冷たくなっていったピーちゃん。

あなたのことは忘れないよ。