晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

東川篤哉 『館島』

2015-08-07 | 日本人作家 は
暑い。暑過ぎます。寝しなに本を読んでいるわけですが、ベッドサイドの
灯りが熱いから点けたくないので、なかなか読み進めることができません。

そんな中、東川篤哉の小説は、ライトタッチで笑えて、ササーと読めるので、
夏の夜の読書には向いているのかな、と。

十文字和臣という建築家であり工務店の社長が、瀬戸内海の小島にある別荘で
謎の死をとげます。

この別荘、形状がいささか変わっていて、四階建ての六角形になっていて、
真ん中に螺旋階段で、各階は部屋が六つ、つまり六角形の一辺が各部屋に
面しています。
屋上にはドーム型の展望室があって実質五階建てではあります。

さて、その十文字和臣ですが、螺旋階段の下で転落死していました。が、
螺旋階段で転落というのもおかしな話で、しかも階段には血の跡も無く、
当時、捜査にあたった県警の刑事は、どこか別の場所から転落し、そして
死体を階段の下に運んだのではないか、と他殺の線でも捜査していましたが、
そのような高い場所は島内には無く、捜査は行き詰まり。

この事件は一月に起き、そして八月。岡山県警捜査一課の刑事、相馬は
この別荘に向かっています。というのも相馬は死んだ和臣の妻、康子の遠縁で、
康子から招待されます。

途中、電車の中で、事件当時に現場に居合わせた吉岡という医師と会い、二人は
別荘のある島行きのフェリーに乗ります。

そのフェリーに、県議会議員、野々村淑恵も乗っていることに吉岡は気づきます。
その傍らには、奈々江という17歳の娘もいます。

さらに、鷲尾という十文字工務店の副社長、そして康子夫人の知り合いである沙樹
という女性私立探偵、そしてジャーナリストの栗山。

別荘には康子と3人の息子(信一郎、正夫、三郎)、管理人の青柳、そして招かれた
7人(相馬、吉岡医師、野々村の母と娘、鷲尾、沙樹、栗山)が宿泊することに。

そこで、新たな殺人事件が・・・

相馬は県警を呼ぼうとしますが、台風が接近してきて、フェリーは欠航。上司からは
「とにかく現場の保存と混乱を避けるように」とのこと。
しかし、そうこうしているうちに第2の殺人が・・・

はたして、十文字和臣と新たに起きた連続殺人の犯人は同一人物なのか。その目的は。
そして、この別荘の奇妙な形状は何を意味しているのか。

ずいぶんと大掛かりなトリックですが、それが分かったときには「おおー」となりました。






コメント
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