晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

小川洋子 『ミーナの行進』

2015-08-02 | 日本人作家 あ
小川洋子の作品を読むのはこれで3作目。まだ本を読む習慣の無かった十年くらい前、
もらった図書券があったので「本でも読んでみっかな・・・」となぜかそのとき思いついて
本屋に行って買ったのが「博士の愛した数式」でした。
そこから読書が趣味になったのですから(その前にも年に一冊は読んでいたんですけど)
個人的に感謝してます。

この本を買う前から、タイトルは妙に気になってたんですよね。

「私」こと朋子は、まだ小さいときに父と死別し、母が東京に洋裁を習いにいくことになり、
住んでいた岡山から芦屋に住む伯母の家に預けられることに。

はじめて新幹線に乗って、新神戸で降りると、伯父が迎えに来ていました。
ハンサムで、紳士的で、外国車の乗り心地も良く、坂を登っていって着いたのは、
大きなお屋敷でした。

伯父さんのお父さんがドイツへ留学し、そこでローザさんと結婚し帰国。
清涼飲料水「フレッシー」が売れて、芦屋に豪邸を建てたのでした。

ローザさん、今はローザおばあさんと伯父さん、伯母さん、そして朋子とは従妹にあたる
ミーナ、お手伝いの米田さん(家事全般)と小林さん(庭師)が住んでいます。
あと、コビトカバのポチ子もいます。伯父さんの10歳の誕生日プレゼントといいますから、
けっこうな高齢カバになります。かつてはこの屋敷の庭はもっとたくさんの動物がいて、
「フレッシー動物園」として近所の子供たちに開放していたそうです。

ミーナは喘息持ちで、体は細く、発作が起こると家じゅうの人が大騒ぎになりますが、
逆にいつ発作が起きてもいいように準備は怠っていません。
そんなこんなで朋子は中学に、ミーナは小学6年生に。学校に行こうとすると、玄関のところに
小林さんがポチ子を首輪につないで、ミーナはポチ子の背中に乗って、学校へ行くのです・・・

ミーナがひそかに集めているマッチ箱。それをくれるのは、フレッシーの配達の青年。
どうやらミーナはこの青年に恋心を抱いてるのか?

ちょうど時代はミュンヘンオリンピック。朋子とミーナは男子バレーボールに夢中。
テレビを見ていると、武装組織がイスラエル選手団を人質にしているとの事件が起こり、
それを見ていたローザおばあさんが・・・
なぜローザおばあさんは、家族との写真をたくさん持ってるのに、ある年を境に一枚も
無いのか・・・

朋子は芦屋での一年のあいだに、いろいろな経験をすることに。恋だったり、ちょっとした
冒険だったり。

ここ最近、時代小説にハマっていて、こういった現代のほっこり系な作品は久しぶりだったので
なんだか読んでて嬉しかったです。いや別に時代小説がほっこりしないというわけじゃない
んですけどね。



コメント
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