晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ディーン・R・クーンツ 『ハイダウェイ』

2011-06-21 | 海外作家 カ
なんだか、久しぶりにガッツリと“クーンツの醍醐味”を
味わったような、そんな作品『ハイダウェイ』ですが、そう
いえば映画化されていましたね。

クーンツの醍醐味って?まあ一言でいえば「人間の手に負え
ないヤバイ敵に立ち向かう小市民、最後は大団円」といった
ところでしょうか。

5歳という若さで息子が病死してしまったハッチとリンジー
夫婦。明るい希望を見出せない期間が続き、さらに最悪な
ことに、雪山でのドライブ中、車がスリップして谷底に転落、
意識を戻したリンジーは、運転席の夫を必死に車から出しま
すが、すでにハッチは息をしていません。しかしそれでも夫
を抱きかかえて冷たい川を泳ぎ、助けを待ちます。

そこへ救急車が到着、薄れゆく意識の中で、元看護婦のリン
ジーは救急隊員の会話を耳にします。それは、事故現場から
かなり離れた病院にヘリ輸送をするというもの。

その病院で行われていたのは、「緊急蘇生プロジェクト」と
呼ばれているもので、死体を低体温にして(死亡時に低体温
であったら尚良い)、そこから徐々に輸血をして体温を上げ、
蘇生させるという方法で、これまでに数例の成功があったの
です。
この蘇生法でハッチはふたたび心臓の鼓動を取り戻し、懸命
のリハビリの末、社会復帰することに・・・

という話とクロスして、なにやら得体の知れない、とにかく
“気味の悪い”何者かが、良からぬことを考えています。
“彼”は地獄からこの世に戻ってきた(と自分で勝手に思って
る?)と思っていて、自分のことを、大魔王の家来“ヴァサゴ”
と名乗ります。

ヴァサゴは、ふたたび自分が地獄へ戻るに相応しい行いをし
ようと、方々で惨たらしい殺人を犯しまくります。
そんなヴァサゴと、ハッチが、不思議なことに、無意識のう
ちに奇妙な繋がりを持ってしまうのです・・・

はたしてヴァサゴとは何者なのか。

ついこの前読んだばかりの、クーンツの「ファンハウス」という
作品はカーニバルが舞台でしたが、『ハイダウェイ』でも、ヴァ
サゴの隠れ家として、閉園したカーニバルが出てきます。
この、喜びと恐怖が紙一重な空間というのが、雰囲気的にいい
のでしょうね。
コメント
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