1975年1月。
ケルン、オペラ劇場。
「ソロ・コンサート」と共に、真に才能あるピアニストとしての
キース・ジャレットの名を確立させた名盤です。
うなぎ上りの温度に(今日の山形市は、35度近く…)、ひと時の涼を求めるやうに聴きました。
このディスクを初めて聴いたのは、20年ほど前。
場所は、東京原宿の同潤会アパートの一角。
在京の時、小生が勤めてゐた会社のモデル・ルームの中でした。
確か、そのモデル・ルームの留守番を云はれて、
同僚が「これ、いいよ」と云ひ捨てた言葉を思ひだして、ひとりで聴いてゐました。
殆んど、ホワイト一色のその部屋で、最初の硬質な音が鳴り出した時、
天上の曲のやうに聴こへたものでした。
実は、事前に完成された楽譜があったのではないのか、と云はれたほど、
次々に沸きでる、即興とは思へないほど、その旋律は美しく、そして完成度が高い。
キース独特の、粘りつくやうなメロディは、このコンサートで一気に頂点へと向かふ。
彼のソロ・コンサートのディスクは書棚に幾つかありますが、
全体の長さといひ、勿論その演奏内容といひ、
やはり、この「ケルン・コンサート」が白眉、でせう。
(写真は、ジャケットより)
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