やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

You Must Believe In Spring

2012-04-16 | 書棚のジャズアルバムから
You Must Believe In Spring


以前にも書いたのかもしれませんが、昔は、ビル・エヴァンスなんて、彼のレコードは程ほどあったけれども、好んで聴きもしなかった。

いつも、コルトレーンや、アルバート・アイラーなんかを聴いてゐた。
在京のころ、神奈川の友人と徹夜で飲んだくれると、正統派の彼は、ビル・エヴァンスやMJQをジャズと認め、コルトレーンでも「バラッド」以外は認めなかった。

それが、最近は、まったく歳のせゐでせう、やたらとビル・エヴァンスを聴いてゐる。
それも、色々な媒体を駆使して、そのすべてを聴かうかと思ふほどになってゐる。

膨大な彼の録音ながら、ほとんど駄作がないといはれてゐるその遺産は、どこから聴いても彼の屈折した研ぎ澄まされたリリシズムを感じとれる。

その実力と名声にも関はらず、結局、麻薬からは抜け出れなかった、そして、その生涯で、たほやかな月日はわずかだったといふその彼のディスクのなかで、You Must Believe In Spring といふアルバムがとても好きです。

もちろん、伝説的なトリオのものも素晴らしいですが、1977年に録音されたこのディスクは、いち時期の低迷を振り切った、澄み切った彼の心情が聞こへる。
(けれど、彼の死までは、あと三年しか残されてゐない…)

とくにラストの、ヴェトナム戦争を野次った反戦映画『M*A*S*H』(映画自体も、小生らには同世代の映画で、映画館でひざをたたいて笑ったー)のテーマが、エヴァンスの手にかかると、見事な愛のテーマになって、こころ救はれる。

動画で、アルバムそのものがUPされてゐました。
40分ほどの時間をなげても、後悔はしません。


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